卓球は、その特性上、フィジカルと技術の両方が重要なスポーツです。しかし、どの程度フィジカルと技術のトレーニングをすれば良いのか、悩む方も多いのではないでしょうか。今回は、そのバランスについて探ってみましょう。
フィジカル vs 技術:どのくらいのバランスが理想的?
私の意見では、卓球はかなり技術寄りのスポーツであり、フィジカルの向上には多くの時間を割く必要はないと考えます。フィジカルと技術のトレーニングの割合は、2:8くらいが目安ではないでしょうか。
なぜフィジカルがあまり重要ではないのか?
- 予測>反応>スピードの順で重要だから
卓球では相手のボールをまず予測して、きたボールに反応して、それから動き始めるという順番で処理していきます。
つまり、予測のレベルが高ければ、反応、動きのスピードは入りませんし、咄嗟の反応が早ければ動きのスピードをカバーできます。
しかも卓球の場合は動く距離が少ないので、動きのスピードの重要性は、予測や反応速度に比べるとそこまで高くはありません。
- 子供が大人に勝つことがある
卓球では、体格や筋力の差が勝敗に大きく影響しないことがよくあります。小さな子供が大人に勝つのをみても誰も不思議がらないですよね。こんなスポーツって珍しくて、これは1.で紹介した予測>反応>スピードの順番で大事なことを説明しています。 - 力が必要な場面が少ない
卓球はパワーがあって、ボールが早い方が有利ではありますが、別に速いボールではなくても十分に得点に繋げることは可能です。卓球では予測が一番重要なので、相手の裏をかくボールを出せれば、ボールの速さは関係ありません。 - ラリーの短さ
ラリーは平均3.5回程度で終わります。したがって、長時間すらそれほど必要ではありません。 - 用具や戦術の工夫が豊富
例えば、ペン粒(ペンホルダーで粒高ラバーを使う戦術)のように、力をほとんど使わない戦術もあります。また、パラ選手が健常者に勝つことも普通にあります。相手のボールの威力を利用して、速いボールを打つことも可能です。パワーがなくても、戦型や用具を工夫すれば、十分に勝つことができるんです。 - 疲れる
フィジカルトレーニングをすると疲れます。卓球ではボールを打つ練習が重要で、ここでの練習効率が非常に大事です。しかし、フィジカルトレーニングで疲れてしまうと、質の高い練習ができなくなり、本末転倒になります。
以上、卓球は予測>反応>スピードの順番で大切でフィジカルが無くても十分に勝てること、用具や戦型を工夫すればパワーは全く入らなくなることなどを解説してきました。
では、ここからは卓球で重要な予測能力や反応を鍛える練習を紹介します。
卓球のトレーニング方法
- 多球練習
反射能力を高めるために、多球練習は効果的。ラリーよりも少し速いピッチで球出しをしてもらい、反射能力を鍛えましょう。 - 試合経験の積み重ね
試合を数多くこなし、予測能力や裏をかく能力を高めましょう。
まとめ
以上、フィジカルトレーニングはあまり重要ではないという意見について書きました。卓球においては、予測>反応>スピードの順番で重要で、技術と戦術のトレーニングに重点を置くことが、競技力向上につながると思います。
皆さんの考えもぜひ聞かせてください。