
最近、中国選手が弱くなったて本当?



他の国が強くなったんじゃない?
最近、「中国卓球が弱くなったのでは?」という噂が、SNSやメディアで広まりつつあります。
かつてなら想像しにくかった敗戦も見られるようになり、ファンの間では動揺が広がっています。WTTでの1回戦での敗退や、世界選手権など大舞台での苦戦など、確かに以前とは違う光景が増えてきました。
世代交代や用具の変化、ルールの影響などが要因となっているのでしょうか?
それとも、むしろ世界の選手たちが強くなったのでしょうか?
オリンピック開催国の強化や技術革新などの要因もありますよね。
本記事では、勝率データ、技術の変化、そして環境要因を手がかりに、中国が弱くなったのか、掘り下げていきます。
最近の中国男子の敗戦事例
大会 | ポイント |
---|---|
パリ五輪 王楚欽 vs トルルス・モーレゴード(2-4) | 世界ランク1位の王楚欽がまさかの敗退。五輪という最大舞台で中国「絶対王者神話」の揺らぎを示した試合。 |
WTT Champions モンペリエ 準々決勝 梁靖崑 vs ベネディクト・デュダ(0-3) | 梁靖崑が欧州中堅のデュダに0–3ストレート負け。 |
WTTヨーロッパ・スマッシュ マルメ 初戦 林高遠 vs サイモン・ゴジー(2-4) | 林高遠がフランスのベテラン、ゴジーにフルゲームで敗北。序盤からペースを掴めず、長年の経験に裏打ちされたゴジーの緩急とサーブ・レシーブ戦術に翻弄。 |
ITTF ワールドカップ マカオ 決勝 林詩棟 vs ヒューゴ・カルデラノ(1-4) | 新世代の中国エース林詩棟がカルデラノに1–4で完敗。強烈なバックハンドカウンターとパワードライブに押し切られ、ラリーの主導権を奪えず。 |
WTT Champions 横浜 決勝 王楚欽 vs 張本智和(2-4) | 世界中が注目した決戦。王楚欽が終盤の勝負所で張本に競り負け、タイトルを逃した。 |



結構、大舞台でも負けててビックリするね



一昔前とはちょっと違う感じね
中国卓球は弱くなった?勝率データと世代交代・用具で深掘り
勝率データ
「中国は弱くなったのか?」を考える上で大切なのは、海外選手との対戦成績です。
国内同士の潰し合いではなく、海外に対してどれだけ勝ち続けているかを見ると、近年の傾向が見えてきます。
選手名 | 試合数 | 海外選手負け試合数 | 海外選手への敗戦率 |
---|---|---|---|
王励勤 | 417 | 28 | 6.7% |
王皓 | 527 | 25 | 4.7% |
馬龍 | 765 | 38 | 5.0% |
張継科 | 386 | 32 | 8.3% |
許昕 | 546 | 16 | 2.9% |
樊振東 | 552 | 20 | 3.6% |
王楚欽 | 469 | 29 | 6.2% |
林高遠 | 412 | 57 | 13.8% |
梁靖崑 | 402 | 42 | 10.4% |
林詩棟 | 274 | 29 | 10.6% |
こうしてみると、“中国全体が弱くなった”わけじゃなくて、世代ごとに海外戦の安定感に差があるように見えます。
馬龍や樊振東は鉄壁。でも、林詩棟や林高遠といった若手クラスは海外勢にやられる場面が目立ってきていて、勝率も確かに低くなっています。一昔前の中国人選手と比べると2倍くらい負けてますね。
どうやら、中国選手が負けているのは事実のようです。



本当に負けることが多くなってるんだね



とは言っても10%くらいだから十分に強いんだけどね。。。
ルールや用具の変化
ボール規格の変化
卓球はここ20年ほどで、ボールの規格が大きく変わってきました。
- 2000年:38mmセルロイド → 40mmセルロイド へ
- 2014年:セルロイド → 40+プラスチックボール へ
この変化によって、回転量とスピードが徐々に低下しました。
中国卓球の代名詞である「強烈なサーブからの3球目攻撃(速攻型戦術)」は、回転効率の低下により効果が薄まり、試合がラリーになりやすくなりました。
ラリー戦になると、体格に優れた欧米選手の強打やカウンターが通用しやすくなるため、中国にとっては「得意領域が狭まった」と言えます。
中国ラバーの優位性の縮小
中国ラバーは、独自の粘着性とグルーイングで、強烈な回転と安定性を実現していました。
しかし、
- スピードグルー禁止
- プラスチックボール採用
といったルール改定により、各メーカーがラバー開発を加速。
その結果、
- バタフライ「テナジー」
- バタフライ「ディグニクス09C」
といった “粘着テンション”系の高性能ラバー が一般市場でも使えるようになりました。
これにより、中国以外の選手も「中国ラバーに近い性能」を手にできる時代となり、用具面でのアドバンテージが薄れてきています。
世代交代が上手くいってない?


中国卓球は長年にわたり「ベテランが第一線で戦い続ける」という特殊な状況がありました。
特に馬龍や許昕といった選手は30代に入ってもなお世界トップで活躍し、国際大会での優勝を重ねてきました。
これは「中国の層の厚さ」と「トップ選手の鍛錬の質」を示す誇るべき実績ですが、一方で 若手の台頭を遅らせた要因 でもあります。
- 馬龍(1988年生):30代半ばでも五輪・世界卓球で主力
- 許昕(1990年生):ダブルスのスペシャリストとして長く代表入り



30代でも中国代表なんて!怪物だね。
この結果、1990年代生まれの世代が長く居座り、2000年代生まれが伸び悩む構図になりました。
林詩棟など新世代の才能が注目されつつあるものの、安定感や経験ではまだ差が大きいのが現状です。
中国以外がレベルアップしている(五輪の影響)
近年の男子卓球で顕著なのは、オリンピック開催国が自国選手を重点的に育成してきたことです。
その流れの中で、世界に新しいスターが登場しました。
- 2016年 リオ五輪(ブラジル)
→ ウーゴ・カルデラノが世界の舞台で頭角を現し、南米史上初のトップ10入り。 - 2021年 東京五輪(日本)
→ 張本智和が急成長、日本の男子卓球を「メダル候補国」へ押し上げた。 - 2024年 パリ五輪(フランス)
→ ルブラン兄弟が地元開催を前に台頭。世界選手権やWTTで中国勢を脅かす存在に。


オリンピックは国威発揚の場でもあり、開催国は数年前から徹底強化プログラムを導入します。その成果として「開催国スター」が生まれやすいのです。



中国以外の選手が確実に強くなってる!
結論|中国一強から群雄割拠の時代へ!
中国卓球が依然として世界のトップであることに疑いはありません。
実際、海外選手との対戦勝率を見ても、中国選手たちは圧倒的な数字を残しています。
ただし、以前のような「絶望的な強さ」とは少し様相が異なっています。
データを細かく追うと、海外選手への敗戦率はじわじわと上がり、若手世代の安定感には課題が見えます。
その背景には二つの要因があります。
- ルール改定や用具の進化
- プラスチックボールの導入で回転とスピードが低下し、中国のお家芸だった「サーブからの速攻」が弱体化。
- 高性能なテンションラバーが普及し、かつて中国だけの強みだった粘着ラバーの優位性も小さくなった。
- 他国の着実な強化
- オリンピック開催国を中心に、ブラジルのカルデラノ、日本の張本、フランスのルブラン兄弟といったスターが次々に登場。
- ヨーロッパや南米でも育成プログラムが進み、「中国 vs 世界」の構図がより拮抗してきている。
これからは中国一強ではなく、他国の選手とのスリリングな試合が期待できて、卓球観戦がより楽しくなるでしょう。
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