「卓球って、どうしたら強くなれるの?」
「効率的に上達するには、何から始めればいい?」
「サーブが重要なのは分かっているけれど、具体的にどう練習すればいいの?」
卓球をしていれば、誰もが一度はこのような悩みを抱えるはずです。実は、最短ルートで強くなるための答えは、派手なドライブ練習ではなく「サーブ」の中にすべて隠されています。
私は中学・高校時代、自宅に卓球台を購入し、毎日欠かさず1〜2時間のサーブ練習を積み重ねてきました。その膨大な試行錯誤の結果、確信したことがあります。
それは、サーブを極めることこそが、卓球の上達スピードを最大化させる方法だということです。
この記事では、私の実体験に基づいた「本当に強くなるためのサーブ練習法」を徹底的に解説します。
- なんでサーブが重要なの?
- レベルに合わせて習得すべきサーブの優先順位
- 練習の質を高めるための便利グッズと教科書
- 全国大会でも通用した、相手の戦型別・サーブの配球パターン
この記事を読めば、今日から何をすべきかが明確になり、あなたのサーブは「ただ出すだけ」のものから「試合を支配する武器」へと進化します。
効率よく、かつ確実に勝ちたい方は、ぜひ最後まで読み進めてください。
サーブ練習が最優先である理由

卓球において、なぜこれほどまでにサーブが重要視されるのか。その理由は、単に「サービスエースが取れるから」だけではありません。
全てのラリーはサーブから始まる
卓球のラリーは、100%サーブから始まります。自分がサーブを出し、相手がレシーブをし、それに対して3球目を打つ……という流れで展開していきます。
つまり、サーブには「その後のラリー展開を決定づける力」があるのです。
例えば、
- 短くて回転量の多い下回転サーブ → 相手はストップかツッツキで返球
- 上回転のロングサーブ → 上回転のボールで返球
サーブの質が極端に低かったり、完全に読み切られたりしない限り、ラリーの主導権はサーバー側が握ることになります。
サーブが良ければ練習効率が上がる
強力なサーブを持つことは、日々の練習効率を劇的に高めることにも繋がります。
サーブで相手のレシーブを限定できるようになれば、その返球に対する練習を集中的に行うだけでよくなります。
相手の返し方が10パターンある状態での練習と、サーブの質を高めてパターンに絞った状態での練習、
どちらが効率的かは一目瞭然です。サーブを磨くことで、練習メニューをシンプルに絞り込めるようになり、限られた時間の中でも試合で直結する「生きた練習」ができるようになります。
【コラム】日本代表戦で学んだ教訓
同じチームのカットマンが、元日本代表の選手と対戦する機会がありました。
結果から言うと、そのカットマンは得意の「カット」をほぼ一度も披露することなく試合が終わってしまいました。
相手のサーブに対して満足なレシーブができず、3球目で即座に決められてしまう。また、こちらがサーブを出す際も、チキータで先手を取られたり、ロングサーブを一撃で打ち抜かれたりと、ラリーが2〜3球で終了してしまうのです。
どんなに素晴らしいカットの技術を持っていても、その前の「サーブ・レシーブ」の段階で主導権を握れなければ、本領を発揮する機会すら与えてもらえません。
この残酷なまでの現実を目の当たりにし、私は「サーブとレシーブの重要性は、いくら強調してもしすぎることはない」と心の底から痛感しました。

サーブがダメだといくらドライブ練習しても無駄
サーブの種類と変化を増やすコツ
サーブの種類は、その人固有のフォームや回転のかけ方を含めると、ほぼ無限に存在します。
ここでは、多くの選手が使っている代表的なサーブを「超ざっくり」紹介します。まずはこれらの中から自分に合ったものを軸にしていきましょう。
主要なサーブの種類一覧
順横回転サーブ(難易度:★☆☆)
最も基本的で、多くの選手が使っているサーブです。 フォアハンドで順回転をかけ、3球目をフォアハンドで攻撃しやすいのが特徴です。
YGサーブ(難易度:★★★)
手首を内側にひねり、体の内側から外側へスイングして逆横回転をかけるサーブです。 習得の難易度は高く、使っている人も少ないレアなサーブですが、それだけに使えるようになれば強力な武器になります。
バックサーブ(難易度:★☆☆)
体の正面で構え、バックハンドで打つサーブです。 体の正面で打つためコントロールがしやすく、コースの打ち分けが容易なのが特徴です。レシーブがバック側に返ってきやすいため、3球目をバックハンドで待ちたい選手に向いています。最近は使用者が減っていますが、だからこそ練習する価値があるサーブと言えます。
下回転&ナックルサーブ(難易度:★★★)
「下回転」と、回転のかかっていない「ナックル(無回転)」を、同じようなフォームで分かりにくく出すことで初めて威力を発揮するサーブです。
非常にシンプルな回転なので、相手のレシーブも変な回転が残らずシンプルに返ってきやすく、3球目攻撃が打ちやすいのがメリットです。
ダブルスでもよく使われます。
ただし、「分かりにくく出す」ためにはフォームをしっかり研究して練習する必要があり、習得は難しいです。また、下回転をツーバウンドで短く出すのも高度な技術が要ります。難易度は高いですが、使いこなせれば非常に効果的です。
巻き込みサーブ(難易度:★★☆)
ラケットの面を相手に見せるように構え、ボールを巻き込むように打つ逆横回転系のサーブです。 YGと同様にレシーブがバック側に返ってきやすいため、3球目をバックハンドで攻撃しやすいです。近年流行しており、トップ選手から一般選手まで多くの人が使っています。
上記以外にも無数のサーブが存在します。既存の型にとらわれる必要は一切ありません。ここで挙げた以外にも、自分だけのオリジナルのサーブを研究して出せるようになるのも卓球の醍醐味です。
サーブの種類を、今すぐ増やす「4つの方法」
新しいサーブをゼロから覚えるのは大変ですが、今持っているサーブに「変化」を加えるだけで、バリエーションは一気に増えます。
トスの高さを変える(難易度:★★★)


基本的なフォームは変えずに、トスの高さだけを変える方法です。 低いトス(ロートス)と高いトス(ハイトス)を使い分けることで、相手が受けるリズムや印象は大きく変わります。
- ハイトスサーブのメリット:
- ボールの落下スピードを利用して、強い回転をかけやすい。
- 大きなスイングが取れる。
- 相手のレシーブのタイミングをずらしやすい。
ただし、トスの高さを変えるのは想像以上に難しい技術です。まずトスを真っ直ぐ高く上げる練習が必要ですし、その落下タイミングに合わせてスイングするのも高度な技術を要します。コントロールが難しくなる反面、習得できれば強力な武器になります。


立ち位置を変える(難易度:★☆☆)
サーブは「バック側から出さなければいけない」というルールはありません。
多くの選手はバック側から出すことに慣れていますが、あえてミドル(台の中央)やフォア側から出してみましょう。同じサーブでも出す位置が変われば、軌道や相手コートへの角度が全く変わります。
受け手は普段取り慣れていない角度からボールが来るため、一瞬迷いが生じ、レシーブが甘くなりやすいです。立ち位置を変えるだけなので、難易度は高くありません。ぜひ一度試してみてください。
フォームを変える(難易度:★★☆)
同じ回転のサーブでも、出す前の構えやバックスイング、あるいは打った後のフォロースルー(ラケットの振り抜き方)を少し変えるだけで、相手は「違うサーブが来るかも?」と錯覚します。
同じフォームから違う回転を出すのが理想ですが、逆に「違うフォームから同じ回転を出す」のも有効な戦術です。
軌道(バウンド位置)を変える(難易度:★★☆)


特にショートサーブにおいて有効な方法です。 自分のコートのどこに第1バウンドさせるかによって、相手コートでのバウンド(第2バウンド)の仕方が変わります。
- エンドラインギリギリに第1バウンドさせる:
- ネット際ギリギリに落ちる、ツーバウンドのショートサーブになりやすい。
- 台の中央付近に第1バウンドさせる:
- 少し長めに出たり、バウンド後の軌道が変わったりする。
これらを使い分けることで、レシーバーはタイミングが取りにくくなり、強くレシーブしにくくなります。
【レベル別】おすすめのサーブ


「どのサーブを練習すればいいかわからない」という方に向けて、レベル別に優先して磨くべきサーブをまとめました。
初心者:まずは「ロングサーブ」から
卓球を始めて1〜3年目、県大会出場を目指すレベルの初心者は、まずロングサーブを徹底的に練習することをおすすめします。それには明確なメリットが3つあります。
- 単純に「勝ちやすい」
ロングサーブはスピードが出しやすく、回転も強くかけやすいのが特徴です。このレベルでは、回転量だけで相手のレシーブミスを誘ったり、チャンスボールを浮かせたりしやすいため、得点に直結します。 - 「回転をかける感覚」が身につく
手先だけでちょこちょこ出す短いサーブよりも、体全身を使ってボールに回転をかける感覚を掴む方が重要です。
まず長いサーブでしっかり回転をかける土台を作り、その後に短いサーブを覚える方が、結果として上達が早くなります。 - 3球目攻撃の練習を絞り込める
ロングサーブを出すと、相手のレシーブも長く返ってきやすくなります。「ストップ」などの短いレシーブをされる心配が減るため、長い球に対する3球目攻撃に集中でき、短い練習時間でも効率よく強くなれます。
まずは上回転、下回転、ナックルなど、あらゆる回転のロングサーブをコースに打ち分けられるよう練習しましょう。
中級者:ショートサーブの安定と「配球」が鍵
県大会でベスト16進出を狙うような中級レベルになると、ロングサーブだけでは相手に狙い打たれてしまいます。ここで重要になるのが、ショートサーブの安定感です。
単に出せるだけでなく、一つの回転に対して**「狙ったコースへ、狙った長さで」**確実に出せる精度が求められます。
横回転サーブ一つ取っても、これだけのコースに自在に打ち分けられるようになれば、相手のレシーブを大きく崩すことができます。
大事なのは「個性」と「独創性」
「結局、どの種類のサーブが一番強いのか?」と聞かれれば、私はこう答えます。 「自分なりの個性と独創性があるサーブ」が一番強い、と。
レベルが上がるほど、選手は「この回転にはこう返す」というセオリーを叩き込んでいます。しかし、教科書通りではない、自分なりにアレンジを加えたオリジナルなサーブに対しては、どんな強敵でもレシーブが一瞬遅れます。
- 周りの人があまり使っていないサーブ
- 自分なりに工夫して生み出したフォーム
- 一見すると何の回転かわからない変化
これから新しいサーブを覚えたいのであれば、単に誰かの真似をするだけでなく、「どうすれば相手が嫌がるか?」を自分で考え、試行錯誤したオリジナルのサーブを練習してみてください。その独創性こそが、格上の相手を倒す最大の武器になります。
最短で上達する練習の手順
練習の手順を解説する前に、まず「良いサーブとは何か」を定義しておきましょう。
良いサーブの定義:自分の予想通りにレシーブが返ってくること
そもそも、良いサーブってどんなサーブでしょうか?あまり考えたことないですよね。
サービスエースが取れれば最高ですが、全ポイントでエースを取るのは現実的ではありません。
レジェンド水谷隼さんは、著書『これで勝てる!サービス戦法』の中で、良いサーブをこう定義しています。
良いサービスとは:自分の予想通りにレシーブが返ってくるサービス
相手のレシーブの選択肢を絞らせ、3球目に繋げることが、質の高いサーブの本質です。
サーブで大事なのは、高さ>コース>回転
相手のレシーブを限定させるために重要な要素は、以下の順番になります。
1. 高さ
まず何よりも高さです。いかに回転がかかっていても、短くても、高ければ全て打ち込まれてしまいます。高ければ相手は「打つ」という選択肢を選べてしまうため、まずは低さが絶対条件です。
2. コース
次にコースです。短く出そうとしたサーブが台から出て長くなってしまうと、その瞬間に相手には「ドライブを打つ」という選択肢が生まれてしまいます。
3. 回転のわかりにくさ
高さとコースが制御できて初めて、回転の変化やわかりにくさが生きてきます。
練習の鉄則:習得は「回転 → コース → 高さ」の順で
実戦での重要度は上記の通りですが、練習ではその真逆の順番で習得するのが鉄則です。
なぜなら、最初に「低さ」や「コース」ばかりを意識して練習してしまうと、そこをコントロールすることに意識が向きすぎてしまいます。
そうなると、サーブの「伸びしろ」が消えてしまい、回転量のない、怖くないサーブしか作れなくなります。
まずは最大火力の「回転」を身につけ、その威力を維持したまま、徐々に長さや高さをコントロールしていく。この順番こそが、良いサーブを作る近道です。
習得のステップ:「量」から「質」へ
1. 初期段階 とにかく「量」で回転の感覚を掴む
新しいサーブを覚えたての時期は、コントロールは二の次です。 とにかく「回転をかける感覚」を叩き込むために、量をこなすしかありません。 卓球台がなくても、床やカーテンに向かって思い切り回転をかける練習を繰り返しましょう。
2. 応用段階 1球練習で実戦の質を追求する
ある程度回転がかかるようになったら、大量にボールを使った練習はやめます。 本番と同じように1球だけ持って構え、静止した状態から出す。 1球出すたびに、今のサーブの反省を頭の中で行う。 この「1球ごとの緊張感」と「反省」の繰り返しが、本番で使えるサーブを作ります。


サーブ練習のモチベーション維持法
サーブ練習は、周りが楽しそうにラリーをしている中、一人でコツコツ取り組む孤独な練習です。正直、楽しい練習ではないです。モチベーションを保つには以下2つ意識してみてください。
1. 頻繁に試合に出て、サーブの効果を実感する
練習しているサーブが試合で通用し、得点に繋がる喜びを実感してください。 「あの場面で出せなかった」という悔しさが、次の練習の目的意識を強くします。
2. 目標を数値化し、ゲーム形式にする
「狙った的に5回連続で当てる」など、具体的な目標を決めましょう。 ただ出すのではなく、自分なりのルールでゲーム感覚を取り入れることで、集中力を維持したまま上達を早めることができます。
サーブ練習をする「意外なメリット」


サーブを磨くことには、単に試合で有利になること以外にも、驚くほど大きなメリットがあります。私が実際に経験した2つの効果をお伝えします。
全技術の「回転と制御」が身につく
サーブ練習を繰り返すと、「回転をかける感覚」が自然と身につきます。そして、強い回転をかけた状態でボールをコントロールする技術も養われます。
この技術は非常に汎用性が高く、サーブ以外のあらゆる場面で役立ちます。例えば、レシーブでのツッツキや、ここぞという時のループドライブなど、ありとあらゆる場面で「回転をかけて制御する技術」が土台になります。
要するに、サーブを徹底的に練習することは、卓球というスポーツにおけるすべての技術の底上げに直結するわけです。
孤独な練習が「仲間」を増やす?
前の章で、サーブ練習は非常に孤独だという話をしました。しかし、実はその孤独さが思わぬ出会いを生むことがあります
これは著者(よこたく)の実体験です。
体育館でたった一人、黙々とサーブ練習をしていると、周りの人が「練習相手がいなくて一人でやっているのかな?」と気遣って声をかけてくれることが何度もありました。半分はその通りなんですけどね(笑)。
そうやって声をかけてくれる人がこれまで何人もいました。中には「一緒にやろう」と練習に誘ってくれる人もいて、最終的にはその体育館に来る人たち全員と知り合いになることができました。
驚いたことに、プロのコーチや元日本代表の方なんかも声をかけてくれて、そこから一気に人脈が広がりました。
もし私が最初から友達と連れ立って練習していたら、おそらく周りの人が声をかけてくることはなかったはずです。一人で寂しそうに練習していたからこそ、これだけ多くの人と繋がれた。今振り返ると、あの孤独な時間は決して無駄ではなかったと感じています。
練習効率を上げる便利グッズ&教本
サーブ練習の質を劇的に高めてくれる、おすすめの教本とアイテムを紹介します。
思考を変えるバイブル『これで勝てる!サービス戦法』
卓球が本当に強くなりたいなら、レジェンド・水谷隼さんの著書『これで勝てる!サービス戦法』は絶対に読んでおくべき一冊です。
この本の凄いところは、丸ごと一冊「サーブのこと」しか書いていないという、かなり異常なほどストイックな構成です。 世の中にある卓球の参考書は、あらゆる技術をまんべんなく解説しているものがほとんどですが、この本はとにかく「狭く、深く」を極めています。
具体的な出し方はもちろん、戦術や考え方、試合の組み立て、練習での注意点まで、レジェンド選手がここまで手の内を明かしてくれることはまずありません。
正直に言うと、このブログを読んでいる時間があるなら、今すぐこの本を読んだ方が100倍有意義な時間になるはずです(笑)。それくらい、サーブを武器にしたい人にとっては価値のあるバイブルです。
練習の質と量を支える便利グッズ
教本以外にも、私が実際に愛用している便利なグッズをいくつか紹介します。
①三脚
サーブ練習では、自分のフォームをスマホで撮影して確認することが欠かせません。 特に「回転の分かりにくさ」が出せているか、自分のイメージ通りの動きになっているか。客観的に自分の姿を見ることで、修正のスピードが圧倒的に早くなります。そのためにも三脚は必須アイテムです。
水筒(ターゲット代わり)
台の上で狙うべき「的」として、水筒を活用しています。 何かしら支柱のようなターゲットが欲しい時に、水筒を置いて練習するとコントロールの精度が上がります。ペットボトルでも良いのですが、保冷・保温ができて倒れにくい重さがある水筒の方が断然便利です。私は象印の水筒を激推ししています。


フォア前にサーブを出す時に重宝
的のかわりに!
ネット高さ測定器(ネットハイ)
練習中にネットの高さがズレていると、感覚が狂ってしまって本当に気持ち悪いですよね。 私は常に「ネットハイ」をラケットケースに入れておき、練習前には必ず高さを確認するようにしています。正確な環境で練習し続けることが、本番での自信に繋がります。
まとめ|サーブ練習は裏切らない
この記事で解説してきた通り、サーブは卓球において唯一自分のペースで打てる最強の武器です。
サーブ練習は孤独で地味なものですが、その積み重ねは必ず試合の結果として返ってきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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