
最近のプロ選手、やけにインナー使ってない?
張本智和選手やフェリックス・ルブラン選手、孫穎莎選手など、トップ選手の間でインナーラケットが広く流行しています。
インナーラケットは、球持ちが良く回転がかかり、弾みも安定させる設計になっています。
「安定して質の高いボールを打てる」ことから、最近になって再評価されてきました。
ただし、インナーラケットにもたくさんの種類の素材が採用されていて、重量・反発力など性能は大きく異なります。「なんとなく良さそう」で選ぶと、自分の卓球に合わずに痛い目を見るでしょう。
この記事では、2025年版のおすすめインナーラケット7本を厳選し、それぞれの特徴・相性が良いラバー・向くプレースタイルを詳しく紹介します。
- おすすめのインナーラケット7選
- インナーラケットの選び方
- インナーラケットが注目されている理由
- 素材別の特徴
- 相性の良いラバーは?
- アウターとの違いやインナーが向いている人は?
おすすめインナーラケット7選
比較表
ラケット名 | 特徴 | 平均重量と板厚 | 相性の良いラバー |
---|---|---|---|
張本智和 インナーフォース SUPER ALC | 張本選手使用モデル 高い弾み×安定性を両立 | 87g 5.9mm | ディグニクス05 ザイヤ03 |
張本智和 インナーフォース SUPER ZLC | とても反発の強いSUPER ZLC仕様 | 87g 6.2mm | ディグニクス09C |
インナーフォースレイヤーZLC | 2015からのロングセラー。回転の弾みの高バランス | 93g 5.7mm | ディグニクス05 |
キョウヒョウ颯 | 孫頴莎選手使用モデル。ファンにはたまらない! | 89g 5.9mm | キョウヒョウ3国狂ブルー |
サイバーシェイプカーボンCWT TRULS EDITION | モーレゴード選手使用モデル。六角形の奇抜な形 | 85g 6.3mm | DNA PLATINUM XH |
丹羽孝希 ZC インナー | Zカーボンと檜の組み合わせが安定感のあるプレーを実現 | 89g 6.0mm | V>15スティッキー V>22ダブルエキストラ |
フェリックス・ルブラン ハイパーカーボン | フェリックス・ルブラン選手使用モデル。 | 85g 5.9mm | ハイブリッドK3 PRO |


張本智和 インナーフォース SUPER ALC
張本智和選手、そして妹の張本美和選手が使用しているモデル。
現在、最も注目されているラケットです。
SUPER ALCシリーズの中で、インナー構造を採用しているのはこのモデルのみ!
特徴①:やや大きめのブレードサイズ
一般的なサイズ(157×152mm)に対し、
「張本智和 インナーフォース SUPER ALC」は158×152mmのちょいデカラケット。
スイートスポットが広く、当たり損ねが少ないため、ブロックや守備の安定感が高い設計です。
ただしブレードが大きい分、ラバー重量が両面で約4g増える点には注意が必要です。


特徴②:スーパーアリレートカーボンによる高反発と柔軟性
通常のアリレートカーボンよりも反発力が高いスーパーアリレートカーボンを採用。
この素材により、しなやかさと弾みの両立が実現されています。
特徴③:洗練されたデザインとコンセプト
青と白を基調とした爽やかなカラーリングに、頂点を意味するゴールドのエンブレム。
「張本」の“張”から弓を連想し、家族で頂点を目指す“3本の矢”をモチーフにしたデザインです。
外観・思想ともに、張本選手らしい気品と力強さを感じさせます。
試打した感想
ディグニクス05を合わせて試打しました。
比較対象は「インナーフォースレイヤーALC」。
打った瞬間に硬さと弾みの強さを明確に感じ、「明らかに上のクラスに来た」と分かるほど。
それでもラケットがしなり、回転のかけやすさが残っているのが印象的でした。
インナーらしく、ストップなどの細かい技術は扱いやすい一方、
強打時には「SUPER ALC」の弾みが顔を出し、強烈な回転とスピードが出ます。
さらに、ブレードが少し大きいからなのか、打球感が柔らかく、心地よい打ち応えがありました。
「安定と威力、そのどちらも妥協しない」ラケットです。
張本智和 インナーフォース SUPER ZLC
「とにかく弾むインナー」を探している人に向けた、最もハイパワーなインナーラケット。
SUPER ZLCは、非常に強い反発力と回転のかけやすさを兼ね備えた高性能ラケットです。
特徴①:インナー仕様で暴れすぎない
これまで「SUPER ZLC」を搭載したラケットはアウターしかなく、
弾みが非常に強く、回転を安定してかけるには高い技術力が必要でした。
このラケットはインナーなので、従来のSUPER ZLCよりも打球の安定性が向上しています。
強い反発を保ちながらも、回転をしっかりかけられるマイルドな打球感が魅力です。
特徴②:パワーとコントロールを両立
インナーなので、わずかにラケットがボールを持ってくれて、「弾むけれど暴れない」という絶妙なバランスに仕上がっています。
中陣でのドライブの伸びと安定したブロック性能を両立でき、攻撃時の威力を最大限に引き出しながらも、プレー全体を安定させます。
インナーフォースレイヤーZLC
2015年に登場して以来、10年以上愛され続けるロングセラーラケット。
ZLC(Zylon Carbon)特有の反発力と、インナー構造による安定感を両立したモデルです。
中級者から上級者まで幅広く支持されており、
「回転性能×安定性×威力」 のバランスに優れています。
特徴|しなりと球持ちが生む強烈な回転
ZLCは非常に反発が強い素材ですが、インナーなので、ボールをしっかり掴んで回転をかけられます。
実際に打つと、「グッ」と食い込んでから前へ押し出すような打球感で、ドライブの回転量は非常に多く、安定して深いボールを打ち込めます。
筆者(よこたく)が大好きなラケットで軽量個体と重めの個体の2本を持っています笑
重量には注意して
平均重量は約93gと重め。
総重量が190g前後になることもあり、並の男子では振り切れません。
しっかり筋トレして体がガッチリしている中〜上級者に最適です。


キョウヒョウ颯
中国代表・孫頴莎(スン・インシャ)選手使用モデル。
もうその事実だけで、孫頴莎ファンの筆者(よこたく)は欲しくなってしまいます(笑)
名前の「颯」は、中国語では「SUN」と発音され、孫(SUN)と同じ音。
おそらく「孫」という漢字を避け、スピード感を表す“颯”に置き換えたのかな?
名前の通り、颯のように切れ味鋭いプレーを実現する一本です。
「キョウヒョウ颯」は、粘着ラバー“キョウヒョウ”シリーズと合わせて使いたいところ!
試打してみると、ZLC系に近い硬めの打球感!
女子選手モデルですが、並の男子じゃ性能を引き出せないでしょう・・・間違いなくハイスペックなラケットです。
粘着ラバーを貼るとしっかりボールをつかんで弾んでくれます。
珍しい紫色のグリップで、グリップエンドには孫頴莎選手の凛としたお顔がプリントされています。
この凛としたお顔を見るだけで、なんとなく孫頴莎選手が一緒に戦ってくれている感じがしますね。


サイバーシェイプカーボン
最初に六角形のラケットが登場したときは、「何これ?」と正直、違和感しかありませんでした。
しかし、発売直後にモーレゴード選手がこのサイバーシェイプ カーボンを使用して世界選手権で銀メダルを獲得。
一気にその性能が証明&世界に認知されました。
特徴①:六角形が生む操作性とスイートスポットの広さ
このラケットの最大の特徴は、なんといっても六角形のブレード形状。
通常の丸型よりも台上技術がやりやすいです。ラケットの先端が短い分、ストップ・チキータ・フリックなどの操作性が向上します。
また、形状の最適化によってスイートスポットが広がっており、当たり損ねが減って安定したボールが出やすくなっています。
特徴②:CWTシステムによる重量カスタム
最新モデルにはCWT(Custom Weight Technology)が搭載。
グリップエンドに取り付けるパーツの重さを変えることで、ラケット重量&重心バランスを自分好みに調整できます。
操作性を重視する人にも、威力重視の人にも対応できるギミックです。
試打レビュー
打ってみた印象は、「インナーの割に硬い」。
球を掴むよりも、弾いて飛ばす感覚が強いです。
ただし、その硬さのおかげでスピードドライブがやりやすい。
下回転に対してもボールをしっかり持ち上げることができました。
一方、ループドライブでは回転を強くかけるために少しコツが必要。
まさに、ドライブとミートを自在に使い分けるモーレゴード選手らしい設計だと感じました。
丹羽孝希 ZC インナー
表面に檜を使ったことで、思いのほか球持ちが良いラケットです。
打球感はやや硬めですが、ギュッと回転がかかる感触があります。檜の影響で打球感が心地よく、球をしっかり掴んで前に出すイメージ。
台上や細かい技術でも扱いやすく、粘着テンション系のラバーとの相性が良い印象です。しっかり振ればスピードも出るため、中〜上級者のコントロール重視派に向いています。
デザイン面では、グリップの色がとても良いですね。
写真だと分かりづらいですが、パープルというより「深い紫」で、ところどころに青みがかった色が見え隠れして綺麗です。和の色合いを感じさせる落ち着いた雰囲気で、見た目の満足度も高いですね。
(VICTASから紫色のラバー出ないかな・・・)
フェリックス・ルブラン ハイパーカーボン
ハイパーカーボンをインナーに搭載したモデルです。
インナーの中ではかなり弾むラケットですね。球持ちが良く、
ハイブリッドK3などの粘着テンションと合わせると回転とスピードのバランスが良くなります。
中ペンはもちろん、シェークハンドもラインナップされています。
あと、なんと言ってもデザインですよね。
フランス国旗やフランス革命をイメージしたトリコロールカラーが目を惹きます。
インナーが向いている人|アウターとの違いは?
インナーとアウターの違い


アウターは上板のすぐ下に素材(カーボンなど)が配置されているので、素材をダイレクトに感じやすいです。対して、インナーは中板に近い位置に素材がくるので木材ラケットの感覚に近くなります。



素材の位置が変わるだけで、性能が大きく変化するよ
繊細なタッチを持っている人でブロックや台上でしっかりボールの威力を技術で吸収できる人はアウターがおすすめ。
威力と回転のかけやすさ、安定感のバランスを求めるならインナーですね。
インナーが向いている人は?
用具に威力を求めつつも、プレーに安定感を持たせることを重視している人におすすめです。
インナーラケットの方が回転をかけやすくどんな技術も安定します。



卓球はボールのスピードを競ってる訳じゃないもんね



安定感は超重要
まとめ|威力、回転、安定のバランスを武器に!
インナーラケットは、回転の安定と威力を両立できます。
最近主流のぶっ飛びテンションや粘着テンションとの相性も良く、
現代卓球に最もフィットするタイプといえます。
自分のスイングでボールを操りたい人にはぴったり。
弾ませる強さではなく、とにかく一本を入れる強さを求める人にこそ試してほしい一本です。
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