
カーボンラケットは弾みすぎる!
5枚合板ラケットは、弾みと安定感のバランスに優れ、木材特有の「球持ちの良さ」が魅力です。
2010年以降はカーボンなど高反発素材が主流となり使用者は減り、ラインナップも減りました…
しかし、試合で本当に大事なのは、一球でも多く返せる安定感。
その意味で、5枚合板ラケットは“勝率を支える用具”ともいえる存在です。
この記事では、2025年最新の5枚合板ラケットを比較し、特徴や選び方、素材ラケットとの違い、相性の良いラバーまで解説します。
- タイプ別(軽量・パワー・安定感)5枚合板おすすめ
- プレースタイル別の選び方
- 5枚と7枚の違い
- 相性の良いラバー
- 初心者も使いやすいモデルは?
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5枚合板 比較表
ラケット名 | メーカー | 重量 | 板厚 | 弾み | 打球感 | 価格帯 |
---|---|---|---|---|---|---|
馬琳エキストラオフェンシブ | ヤサカ | 85g | 6.0mm | 硬い | 7800円 | |
アコースティック | ニッタク | 90g | 5.7mm | 硬い | 14600円 | |
エボニーウッド | ニッタク | 87g | 5.5mm | 硬い | 9500円 | |
コルベル | バタフライ | 92g | 5.9mm | 普通 | 4800円 | |
アゼリアオフェンシブ | STIGA | 85g | 5.8mm | 普通 | 10700円 | |
サイバーウッドCWT | STIGA | 83〜92g | 6.0mm | 普通 | 17700円 | |
J.O.ワルドナーOFF | ドニック | 85g | 5.8mm | 普通 | 6900円 | |
松下浩二オフェンシブ | VICTAS | 93g | 6.0mm | 硬い | 11000円 | |
丹羽孝希レジアス | VICTAS | 85g | 6.0mm | 柔らかい | 8600円 | |
オールラウンドエボリューション | STIGA | 80g | 5.5mm | 柔らかい | 6000円 | |
メイスアドバンス | バタフライ | 80g | 6.7mm | 柔らかい | 5300円 | |
バイオリン | ニッタク | 85g | 5.3mm | 柔らかい | 16000円 | |
ハッドロウ5 | バタフライ | 86g | 5.9mm | 普通 | 7000円 | |
アルティウスST5 | ミズノ | 77g | 6.0mm | 普通 | 6500円 | |
5P-2A.Ri | ダーカー | 90g | 6.5mm | 柔らかい | 12500円 |


2025年 最新おすすめ5枚合板ラケット15選
5枚合板といえば「安定するけど、威力が物足りない」と思われがちです。
しかし近年は、ブレード設計や木材構成の工夫によって、しなりの良さを保ちながらもスピードを出せるモデルが増えています。
そこでこの記事では、5枚合板ラケットを2つのタイプに分けて紹介します。
- 威力重視タイプ:弾みと球離れを両立した、攻撃型向けのモデル
- 安定重視タイプ:球持ちとコントロール性を重視した、ミスを減らすモデル
しっかり弾むタイプ
馬琳エキストラオフェンシブ
オリンピック金メダリスト・馬琳(Ma Lin)が実際に使用していた名作ラケット。
5枚合板ながら、上板に硬めの木材を使用しており、木材ラケットとしてはかなり弾みのある設計です。
弾むのに、台上やブロックなどの細かい技術がやりやすいのも特徴。
「台上の魔術師」と呼ばれた馬琳が愛用した理由が、使えばすぐに分かるはずです。
また馬琳の代名詞ともいえるバックショートのカットブロックにおいても、このラケットはしっかりと止まる安定感を発揮。
攻撃と守備の切り替えが自在で、馬琳の多彩なプレーを支えた一本です。
攻守のバランスが取れた万能ラケットで、安定感を保ちながら多彩なプレーを目指したい人におすすめです。



黒とグレーのシックなデザインも○
相性の良いラバー
粘着系、粘着テンション系ラバーとの相性が抜群です。
馬琳と同じように、翔龍Ⅱやディグニクス09Cのようなラバーを組み合わせると、安定感の中に強烈な回転と伸びを両立できます。
アコースティック
弦楽器シリーズの名作、アコースティック。
以前は伊藤美誠選手も使用していたことで知られる、ニッタクを代表する5枚合板ラケットです。
弦楽器の製造に使われる独自の接着技術を応用することで、スイートエリアの拡大と、木材の響きを活かした繊細な打球感を実現。
同時に、十分な弾みも備えており、木材ラケットとしての完成度が非常に高い一本です。
リンバ材を使用しており、打球感はやや硬め。
しなりすぎず、しっかりとした弾みと直線的な弾道が特徴です。
「木材の感触を味わいながら、スピードも妥協したくない」というプレイヤーにぴったりのモデルです。
相性の良いラバー
伊藤美誠選手と同じように、ファスタークG1やモリストSPと合わせたい!
エボニーウッド
表面材に黒檀(エボニー)を使用した高級5枚合板ラケット。
黒檀は非常に密度が高く硬い木材で、ピアノの鍵盤などにも使われるほどの高級素材です。
その硬質な打球感により、5枚合板らしい球持ちとミートのしやすさを両立。
一般的な5枚合板と比べてもかなりアグレッシブな性格を持ち、
「木材のしなりは残しつつも、カーボン並みの威力を出したい」という攻撃的なプレイヤーに最適な一本です。



カーボンにも負けない威力!
コルベル
「チキータの生みの親」として知られる、ピーター・コルベル選手のモデルラケット。
1990年代から現在まで長く愛され続けており、まさに5枚合板の定番中の定番といえる存在です。
登場から年月が経っても、安定した人気と販売数を誇る理由はその完成度の高さ。
当時は「弾む5枚合板」として話題になり、今でも初級〜中級者向けモデルとして高い支持を集めています。
ブレードはやや厚めで、5枚合板の中ではしっかり弾む。
しなりがありつつもスピードも出せるため、ドライブ主体の攻撃型プレイヤーにぴったりです。
操作性が高く、成長に合わせて長く使える一本です。



シックなデザイン、オレンジレンズがアクセント
アゼリアオフェンシブ


黒とピンクのアクセントが映える、スタイリッシュな5枚合板ラケット。
落ち着いたデザインながら、華やかさもあり、女性プレイヤーにも人気のモデルです。
上板にはやや硬めの木材を採用しており、5枚合板としてはしっかりとした弾みを持ちます。
スピードも出しやすく、台上やブロックでの操作性も高いため、安定感を保ちながら攻撃力を出したい選手におすすめです。
名前の「アゼリア(Azalea)」はツツジの花を意味し、花言葉は青春の喜び”。
その名の通り、これから上達を目指すプレイヤーの「伸びやかさ」を後押ししてくれるような1本です。
サイバーウッドCWT
六角形が特徴の「サイバー」シリーズの中でも、扱いやすさと自由度を両立したモデル。独自の形状によりスイートスポットが広く、当たり損ないが少なくなります。
CWT(カスタム・ウェイト・テクノロジー)を搭載しており、グリップエンドの重りを交換することでラケット重量を調整可能。
・威力を出したい日は重めに
・疲れが残っている日は軽めに。
その日のコンディションに合わせてセッティングを変えられる柔軟性が魅力です。「サイバーシェイプ」よりもややマイルドな弾みで、コントロール重視のプレーヤーにも扱いやすいラケットです。
5P-2A.Ri
ダーカーの名作ラケット。
一見ただの5枚合板に見えますが、檜(ヒノキ)で構成された5枚合板という、非常に珍しいラケットです。
檜は反発力が強い一方で、しなやかな“球持ち”があり、回転をかけやすい独特の打球感を生み出します。
さらに板厚6.5mmという厚めの設計により、しっかりとした弾みも確保。
打つたびに感じる檜特有の柔らかさとキレの良さがクセになる、一度使うと忘れられないラケットです。
安定感重視
オールラウンドエボリューション
スティガの定番にしてロングセラー、オールラウンドエボリューション(略してオルエボ)。
長く愛されてきた理由は、その扱いやすさと安定感にあります。
板厚は薄めで、弾みも控えめ。
打球時にはしっかりと手に響くフィーリングがあり、球持ちの良さを感じます。
確かに爆発的な弾みはありませんが、どんなに緊張した場面でも安定して台に収まる安心感があります。
つまり「一本多く返せる=勝てるラケット」ということ。
さらに、軽量設計なので、最近主流の重めラバーを貼っても振り抜きやすいのが魅力。
デザインもクラシックで上品。木目の美しさに、赤いアクセントが映えます。
**シンプルかつ timeless(時代を選ばない)**見た目も、長年愛される理由のひとつですね。
J.O.ワルドナーOFF
卓球界のレジェンド、ヤン=オベ・ワルドナー選手モデル。
一番の特徴は、少し独特な“卵型”のブレード形状、通称 JOシェイプ。
この形状によって重心が手元寄りになり、ラケットの操作性が抜群に高いのがポイントです。
特に、咄嗟のブロックやストップなど、素早い角度調整が求められる場面で威力を発揮。
スティガらしい木材のしなりと心地よい打球感も健在で、
「手で打っている感覚」を求めるプレイヤーにぴったりの一本です。
松下浩二オフェンシブ
「えっ、カットマン用じゃないの?」と思った方、その通りなんですが、このラケット、カット用にしては木材が硬めで、しっかり弾みます。
そのため、守るだけでなく攻撃にも転じたい異質系プレーヤーに最適。
特に、バック粒高を使いながらもフォアで攻撃したいタイプにはピッタリの一本です。
それに、カット用なので、ブレードが大きく、スイートスポットも大きくなっているのは地味に助かります。
異質戦型を極めたい人、カットマンでも攻撃したい人におすすめです。
丹羽孝希レジアス
丹羽孝希選手が監修した、入門者向けの扱いやすいラケット。
弾みは控えめで、ボールのコントロール性能が高く、初めてのラケットとして安心して使えます。
ラリーの安定感があり、ミスを恐れずにスイングを覚えたい人にぴったりです。
「Regias(レジアス)」はラテン語で(王の/高貴な)」
入門者向けでありながら、王者の風格を目指すラケットというネーミングには、
丹羽選手らしいセンスと誇りが感じられます。
グリップの鮮やかな緑×青のデザインも爽やかで印象的。
見た目の美しさもプレーのモチベーションを上げてくれる一本です。
メイス アドバンス
メイスパフォーマンスの後継モデルとして登場した、長年愛される一本。
しなやかさと軽快さのバランスが良く、多彩なプレーを支えてくれるラケットです。
メイス選手といえば、ロビングからラリーを巻き返すような“魅せる卓球”が代名詞。
このラケットもまさにそのスタイルを体現しており、守ってからの反撃や展開の速いラリーに強さを発揮します。
重量は約80gと軽量で、どんなラバーとも組み合わせやすいのもポイント。
操作性が高く、中級者以上でプレーの幅を広げたい人にぴったりの一本です。
バイオリン


弦楽器製法から生まれたラケット。
表面材にはアッシュ材を使用しており、しなやかさと粘りがあります。
打球時にはまるでボールがラケットに“吸い付く”ような独特の感触があり、
グッと掴んでスッと離す、そんな上質な打球感が味わえます。
- 安定した返球がしやすい
- 回転をかけやすい
- 台上処理での安心感が高い
など、コントロールプレーを重視する選手に最適。
“響くような打球感”という言葉がぴったりの、芸術的なラケットです。
ハッドロウ5
薄めの板厚で、弾みはやや控えめ。
その分、ボールをしっかりと“つかむ”感覚があり、回転をかけやすく安定したプレーができます。
木材特有の柔らかい打球感が心地よく、台上処理やラリーでのコントロール重視プレーヤーに最適。
「弾みすぎないけれど、木材の良さを味わいたい」という人にぴったりの一本です。
アルティウスST5
元日本代表・坂本竜介氏プロデュースの5枚合板ラケット。
思ったより弾む設計で十分な攻撃力を備えています。
打球感はやや硬めで、球離れが早くテンポの良いプレーが可能です。
また、重量が非常に軽く、どんなラバーとも組み合わせやすいのも魅力。
女性やジュニア選手にもおすすめです。
鮮やかな青のグリップデザインが印象的で、見た目も爽やか。
硬めの打球感なので、柔らかめのラバーと組み合わせるとバランスが取れます。
5枚合板ラケットの特徴と魅力
2010年前半、多くの選手が使っていた5枚合板ラケット。
しかし、グルー禁止後はより弾みの強いラケットが求められ、素材入りモデルへ移行する選手が増え、今では5枚合板は姿を消しつつあります。
それでも――5枚合板の魅力は健在。
トップ選手が威力重視で素材入りを選ぶのは当然ですが、一般プレーヤーにとっては、いまもベストな選択肢となるケースは多いのです。ここでは、その力と魅力をあらためて紹介します。
一本多く返す安定感
5枚合板はなんといっても安定感!
素材ラケットは攻撃時こそ強力ですが、台上技術やブロックでコントロールが難しい場面があります。
思ったより高くなったり、甘く入ってしまう経験はありませんか?
一方、5枚合板は相手の球威をしっかり吸収し、狙った位置に短く返球可能。
どんな場面でも相手よりも一本多く返せる(=勝てる)、それが5枚合板です。
7枚合板や素材ラケットとの違い
5枚合板と比べると、7枚合板は板厚が厚めのモデルが多くて、やっぱり威力が出やすいですね。
素材ラケットは更に弾みます。



じゃあ、5枚じゃ攻撃しても得点できないの?



もちろん、そんなことないよ
そもそも、卓球でボールのスピードなんて、そこまで重要ではないです。
小学生でもプロ選手を倒したりしてますし、スピードが大事ならそもそもカットマンやペン粒なんて存在すらしないはずです。
スピードではなく、コース、回転、緩急の方がよっぽど重要だし、そもそも先手を取るには細かい技術のコントロールが命です。
だから、コントロールに優れた5枚合板は長年選ばれ続けています。
5枚合板ラケットの選び方
弾み
5枚合板の中にも、硬い木材を使ったもの、柔らかい木材を使ったもの、板厚が厚いものや薄めのもの…と色々あります。
特に上板が硬い木材だと、初速が出やすく飛び出しも早い分、扱いが難しいことがあります。
自分のプレースタイルや求める飛び方に合わせて、板の種類と厚みはしっかり確認しましょう。
打球感
木材の種類によって打球感はかなり変わります。
上板が硬いとシャープでスピードのある感触、柔らかいとボールを掴むような感触になります。
カーボンとは違って、木材だけの5枚合板は種類ごとの個性がハッキリ出るのが面白いところ。
パワーに自信があるなら硬めで振り切るのも良いですし、自信がないなら柔らかめでコントロール重視にするのもアリです。
5枚合板と相性が良いラバー
5枚合板は比較的、弾みが抑えられているので、少し弾みがあるラバーと合わせたいですね。
●5枚合板ラケットとラバーの相性
ラケット | ラバー | 相性 |
---|---|---|
馬琳エキストラオフェンシブ | 翔龍Ⅱ | 良い:粘着と相性good |
ディグニクス09C | 良い:超回転がかかる! | |
ラクザX | 普通:もうちょっと弾んでほしい | |
コルベル | ディグニクス09C | 普通:弾みが足りない |
テナジー05 | 良い:しっかりボールを掴む | |
ロゼナ | 良い:弾みも回転も十分 | |
ファスタークG1 | 良い:十分な弾み | |
バイオリン | テナジー05 | 良い:しっかり掴んで弾む |
ファスタークG1 | 良い:ミートの打球感が良い | |
ディグニクス05 | 良い:弾みが足りない | |
モリストSP | 普通:表ソフトと相性良い | |
丹羽孝希レジアス | V>20 ダブルエキストラ | 普通:全然弾まない |
スワットスピン | 良い:回転量あるボールが打てる | |
ヴェンタス レギュラー | 良い:とにかく安定する |
まとめ
5枚合板ラケットは、しなりと球持ちの良さを活かしてプレーの安定感を高められる、卓球の“原点”ともいえるラケットです。
一見地味に思えるかもしれませんが、実戦ではこの1球の安定が勝敗を分けることも少なくありません。
5枚合板は、素材系(カーボンなど)に比べて打球感の情報量が多く、上達にも最適です。
特に中級者以降が「もう一度感覚を整えたい」と思ったときに、プレーを見直すきっかけになるでしょう。
最後に――
「勝てるラケット」とは、弾みよりも安心してスイングできる一本のこと。
その意味で、5枚合板は技術を育て、プレーを支える最高の相棒です。
自分の感覚に合う木材ラケットを、ぜひじっくり選んでみてください。
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