試合の流れを読んで戦術を調整することは、卓球の勝敗を左右します。
しかし、いざ試合になると「気づいた時には負けていた」ということも多いのではないでしょうか?
劣勢でもどうすればいいかわかんないや・・
具体的に何を変えていけばいいか考えてみようか
この記事では、試合中に戦術転換ができなかった選手の事例 をもとに、戦術を変えるために必要な考え方を解説します。
試合の中で何を意識すればいいのか?どうすれば失点パターンを繰り返さずに戦えるのか?
試合で結果を出すために、戦術転換の方法を学んでいきましょう。
大会での気づき:戦術転換って結構ムズい

体験談:試合の審判をしていた時のこと
ペン粒VSドライブマンの試合
(P4マッチでレーティング1500同士の試合)
結果
3-0でペン粒が勝利
1セット目
ドライブマンはバックサーブをバック前に出す。
↓
ペン粒にプッシュされ、失点
レシーブはツッツキをバックに送る。
↓
ペン粒にプッシュされ、失点
2セット目
同じ展開
3セット目
ドライブマンが初めてロングサーブを出すが、サーブミス。
それ以降、ロングサーブは出さず。。。
審判をしていて思ったこと
なんでロングサーブを出さないんだろう(3セット目でやっと出した)。
バックにツッツキをしてプッシュされるなら、フォアに送ったり、ツッツキ以外のレシーブをすればいいのに。。。
なんで、ドライブマンは途中で戦術を変えられなかったのか?
少し考えてみることにしました。
なぜ、戦術転換ができないのか?

ペン粒とドライブマンの試合ですが、なぜドライブマンは戦術転換できなかったのでしょうか?想定されるケースを洗い出します。
①普段から特定のサーブばかりを出していた。
特定のサーブからの展開を得意としているため、それが有効でないと分かっても他の展開を作れなかった。
②何が効いていて、何がダメなのか、整理できていない
得点パターンや失点パターンを意識しないまま試合を進め、特に問題意識も持たないまま、試合を進め、気がつけば負けていた。
③ペン粒との対戦経験が少なかった。
ペン粒は希少なスタイルなので、対戦経験が少なく、何をすれば良いか分からなかった。
卓球の試合で戦術転換を成功させる方法
戦術転換にはサーブの種類を増やすことが不可欠
戦術転換を成功させるためには、相手に応じて使い分けられるサーブの種類を持つこと が重要です。
サーブの種類を大雑把に書き出すと以下のようになります。
・回転(下・ナックル・上・横回転・逆横回転)
・長さ(ショート・ミドル・ロング)
・コース(フォア・バック・ミドル)
少なくとも、回転(5種)×長さ(3種)×コース(3種)=45種類のサーブはマスタしたいです。
試合の序盤で相手の反応を確認し、使えるサーブを見極める
例えば、試合序盤にナックル系のサーブと強い下回転のサーブを交互に出し、相手がどのように対応するかを観察します。その上で、相手が苦手とするサーブを主軸に戦術を組み立てることで、より効果的に得点を狙うことができます。
また、特定のサーブに頼りすぎると、相手が順応した際に戦術転換が難しくなる ため、常に複数の選択肢を持つことが大切です。
戦術転換に役立つおすすめの本

これで勝てる!サービス戦法(著者 水谷隼 2024)
オリンピック金メダリスト・水谷隼選手が、サービスだけに特化して書き上げた一冊。 どのようにサービスを組み立て、試合の流れを作るのか?何を意識してサービスを出せば良いのか?さらに、効果的なサービス練習の考え方まで、余すことなく詰め込まれた超濃密な内容です。
この本を読んで、「ここまで深くサービスについて考え抜いていたのか」 という水谷選手の凄みを改めて実感しました。卓球をしている人なら、必読の一冊 です。
卓球 戦術ノート(著者 高島規郎 2001)
ミスターカットマンが語る戦術の極意
世界選手権3位、全日本監督も務めた高島規郎氏が書いた、卓球戦術の本質を徹底解説した一冊。 2001年に出版されたものの、その内容は今でも色褪せることなく、戦術の基礎から応用まで網羅されています。
「戦術とは何か?」 という根本的な問いから始まり、スコアマネジメント、ケーススタディ、戦型別の基本戦術、さらにはメンタルと戦術の関係まで、あらゆる角度から戦術を深掘り。卓球の試合で勝つための戦略を学びたいなら、ぜひ手に取るべき一冊です。
まとめ
- 試合では相手に合わせたサーブを出し、展開をコントロールすることが重要
- 得点・失点パターンを記憶し、セット間で整理して適切な修正を行う
- サーブの種類を増やし、相手に応じた戦術を瞬時に組み立てられる意識を持つ
- 「これで勝てるサービス戦法!」、「卓球 戦術のーと」 を活用し、具体的な戦術の引き出しを増やす
試合の中で適切な戦術転換ができれば、勝率は確実に上がります。実践を重ねながら、戦術を柔軟に組み立てる力を身につけましょう!