- 世界卓球2026男子団体決勝(中国3-0日本)の全試合スコアとオーダー
- 張本智和が2-0、第5G 8-3リードから逆転負けした理由
- 中国がまだ強い理由と、日本男子に足りない「あと1本」
2026年5月10日、世界卓球選手権ロンドン大会の男子団体決勝で日本は中国に0-3で敗れ、銀メダルでした。中国は12連覇を達成。スコアだけ見れば完敗ですが、3試合とも「あと1本」で勝敗が入れ替わる内容でした。
この記事では、テレビでライブ観戦した試合の流れと敗因、そして日本男子と中国の本当の距離を整理します。
ちきりー3-0完敗って書かれるけど、内容はそんなに一方的だったの?



全然そんなことないんだ。むしろ「あと1本」が3試合ぜんぶに転がっていた試合だったよ。
世界卓球2026男子決勝の結果|中国3-0日本
| 試合 | 中国 | スコア | 日本 | ゲーム別 |
|---|---|---|---|---|
| 第1 | 梁靖崑 | 3-2 | 張本智和 | -8, -4, 9, 11, 8 |
| 第2 | 王楚欽 | 3-1 | 松島輝空 | -8, 10, 2, 9 |
| 第3 | 林詩棟 | 3-1 | 戸上隼輔 | 9, 5, -7, 9 |
中国は王楚欽を2番、若手エースの林詩棟を3番に置き、ベテラン梁靖崑を1番に起用。日本は岸川聖也監督のもと、張本・松島・戸上の主力固定で挑みました。第1試合と第2試合で日本がゲームを取り、各試合とも最終盤までもつれる白熱した内容でした。
張本智和vs梁靖崑|2-0から逆転負けの分水嶺


この決勝で一番印象に残ったのが第1試合です。張本選手が2ゲーム先取し、第5ゲームも8-3でリード。普通なら勝ち切れる場面から、梁靖崑選手が逆転で勝負を決めた──最終11-8で日本の苦戦が確定した1戦でした。
梁靖崑の「1本でも多く返す」気迫
梁靖崑選手は中国選手の中でも最も回転量が多いと言われています。派手なボールは少ないけれど、どんなに苦しい場面でも回転をかけて弧線で確実に1本を返す──そのスタイルが第5ゲーム後半に強烈に効きました。スピードや派手なプレーでは張本選手の方が上回っていた場面が多かったと思います。それでも勝負を決めたのは、梁靖崑選手の「ミスをしない卓球」でした。
フランス戦から続いていた梁靖崑の粘り
この逆転には伏線がありました。準決勝の中国対フランスで、梁靖崑選手はアレックス・ルブラン選手と対戦。第1・第2ゲームを共に大差で落とし、私も「中国がここまで負けるか」と思って観ていました。
ところがマッチポイントを握られた場面で相手のA.ルブラン選手がチャンスボールをミス。そこから息を吹き返した梁靖崑選手は3ゲーム連取で逆転勝利を収めました。フランス戦から決勝まで粘り続けた梁靖崑選手こそ、中国12連覇の本当のMVPだったと私は思います。



気合いだけじゃ勝てないけど、最後の1本を決めるのは結局そこなんだね。
松島輝空vs王楚欽|ほんとに僅差


第2試合は全日本王者の松島輝空選手と、世界ランク1位の王楚欽選手の対戦。第1ゲームを松島選手が11-8で先取、第2ゲームも10-12と接戦で、序盤は19歳と世界1位がほぼ五分の打ち合いでした。
松島選手の良さは球の重さとスピード。一発で打ち抜く決め球も見られて、19歳とは思えない迫力でした。一方の王楚欽選手はラリーで回転を重視し、緊張した場面ほど安定する──そこに第3ゲーム以降の差が出ました。「普段よりギアを1段上げないと得点できない」のが中国トップとの差で、ギアを上げた分だけリスクをとり松島選手側には攻撃のミスが出ました。
とはいえ、あと1本2本が入っていれば違う結果になっていた試合です。松島選手はまだ10代。日本が金メダルを獲るところを本気で見せてくれる選手になると、私は期待しています。



2年後、松島選手が頂点に立つ未来は十分にある!
戸上隼輔vs林詩棟|中国の「林詩棟3番起用」の意味


第3試合は若手エース林詩棟選手と、キレッキレの戸上隼輔選手。中国ベンチは、エース格の林詩棟選手を3番に下げて張本選手との直接対決を回避し、戸上選手にぶつけるオーダーを選びました。フランス戦で素晴らしい試合をした梁靖崑選手を1番に置いたのも、その勢いを買っての配置でしょう。
試合は凄まじいスピード感の打ち合いになりました。戸上選手のカミソリドライブを、林詩棟選手も負けじと打ち合う戦い。第3ゲームを戸上選手が11-7で奪った瞬間は私も期待しましたが、最終ゲームを11-9で取り切ったのは林詩棟選手でした。勝った瞬間の喜びの爆発から、林詩棟選手が背負っていたプレッシャーの重さが伝わってきました。



戸上選手も本当に「あと一歩」だったね
中国は弱くなったのか|絶対王者ではなくなった中国がそれでも勝つ理由


今大会の中国は予選で2敗を喫し、準決勝のフランス戦も3-1の激戦でした。これまでの「すべてストレートで勝つ絶対王者」の中国ではなかった──というのが私の素直な印象です。樊振東選手・馬龍選手という大エースが今大会の代表メンバーから外れた影響もあるでしょう。
では、なぜそれでも最後に勝つのか。今大会を観ていて感じたのは勝負所で繰り出される「魂のプレー」です。梁靖崑選手の体勢を崩しながらでも何とかねじ込む1本。決勝で林詩棟選手が1点目から拳を突き上げた咆哮。緊迫した場面で詰将棋のように1本ずつ確実に取っていく王楚欽選手のプレー、こうした一本一本のプレーが中国の卓球の奥深さを物語っています。



絶対王者じゃなくても、勝負強さはむしろ増した気がする。
あと1本|日本男子と中国の距離はここまで縮まった


今大会の決勝を観て一番強く感じたのは、中国との差は確実に小さくなっているという事実です。これまでだと1ゲームも取れずに負けるケースも珍しくなかった日本男子が、決勝で各試合ゲームを取れる試合運びになりました。
日本男子に足りない「最後の1本」とは
- 緊張下での回転と弧線の「安定」──梁靖崑選手のように、最後の1本を必ず入れる回転・弧線の安定感
- 「絶対に取る」というメンタルの厚み──中国選手の「絶対に負けない・絶対にミスしない」気持ちは、普段の練習から染み込んでいる
- 選手層の拡大──松島選手の台頭は心強いが、世界トップ10にあと数人が必要
まとめ|2年後の日本大会は期待大!


世界卓球2026ロンドン男子団体決勝は、中国の3-0勝利・12連覇という結果に終わりました。それでも内容は3試合とも「あと1本2本」で勝敗が入れ替わる死闘。中国との距離は、確実に縮まっています。
そして次の世界選手権は、私たちの地元・日本で開催されます。テレビの前で、会場で、SNSで──日本男子・女子の挑戦を、卓球ファン全員で一丸となって応援しましょう。あの「あと1本」をホームで決める瞬間を、一緒に見届けたいですね。
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