- 卓球の登録者数がピークから8万人減った最新データ(2026年度)
- 減少の主因が少子化ではなく中学部活動の縮小であるとデータで言える理由
- 部活がなくなっても卓球を続けられる受け皿クラブの現状と探し方
最近、大会会場で中学生の姿が減ったと感じることはありませんか?
私自身、大会に行くと「あれ、子どもたちが少なくなったな」と感じる場面が増えました。卓球場や体育館で練習している人はそこまで減っていない気がするのに、大会では大人の方が目立つ。この違和感の正体を探るべく、日本卓球協会・中体連・高体連の公式データを集めて調べてみました。
結論から言うと、卓球協会の登録者数はピークから約8万人減っており、その中心は中学生です。ただしデータを丁寧に読むと「卓球人口そのものが減った」とは言い切れない面白い構造も見えてきます。この記事では2026年度の最新データをもとに、減少の実態と要因、そしてこれからの卓球界の姿を解説します。
ちきりー卓球って人気スポーツじゃなかったの?本当に減ってるの?



数字を見ると衝撃だよ。でも「減っているのは誰か」を分解すると、意外な事実が見えてくるんだ。ボクと一緒にデータを読み解いていこう!
卓球の登録者数はピークから8万人減【2025年度最新データ】


まず全体像から見ていきます。日本卓球協会(JTTA)が公表している加盟団体登録人数の推移がこちらです。


| 年度 | 総登録人数 | うち中学生 |
|---|---|---|
| 2015年度 | 327,132人 | 161,139人 |
| 2018年度 | 358,600人(ピーク) | 178,319人 |
| 2019年度 | 358,124人 | 179,129人(ピーク) |
| 2020年度 | 262,175人 | 118,040人 |
| 2022年度 | 303,229人 | 146,396人 |
| 2023年度 | 299,285人 | 142,049人 |
| 2024年度 | 290,550人 | 133,806人 |
| 2025年度 | 280,010人 | 124,733人 |
総登録人数はピークだった2018年度の358,600人から、2025年度には280,010人まで減少しました。7年間で78,590人、率にして21.9%の減少です。2020年度にコロナ禍で一度大きく落ち込み、その後いったん回復したものの、2023年度からは3年連続で減少が続いています。
なお、ここで言う「登録者数」とは、公式大会(全日本選手権の予選など)に出場するために卓球協会へ登録している人の数です。卓球をプレーしている人全体の数ではない点は、後半で重要になるので覚えておいてください。
減っているのは中学生。カテゴリ別で見える「中抜け構造」


次に、誰が減っているのかをカテゴリ別に分解してみます。すると驚くほどはっきりした構造が見えてきます。
2025年度の前年比を見ると、中学生は124,733人で9,073人減(6.8%減)。一方で小学生は10,464人で143人の増加、一般も57,066人で324人の増加です。つまり小学生と大人は微増しているのに、中学生だけが激減している「中抜け構造」になっているのです。
中学生カテゴリをピーク時と比べると、2019年度の179,129人から2025年度の124,733人へ、6年間で54,396人・30.4%の減少。総登録に占める中学生の存在は圧倒的に大きいため、協会登録全体の減少は、ほぼ中学生の減少で説明できてしまう状況です。



中学生だけ3割減!?少子化のせいじゃないの?



いい質問だね。実は同じ期間の中学生人口は3.5%しか減っていないんだ。30%と3.5%、この差の理由を次の章で解き明かすよ。
少子化では説明できない。中学・高校・他競技の比較でわかる3つの事実


「子どもが減っているんだから当然でしょ」と思うかもしれません。しかし数字を突き合わせると、少子化だけでは全く説明がつかないことがわかります。
他競技と比較:バレーは増えて卓球は平均の2倍減っている
日本中学校体育連盟(中体連)の加盟生徒数データで、2019年度から2025年度の増減率を競技別に並べてみます。


| 競技(中学) | 2019年度 | 2025年度 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| バレーボール | 188,832人 | 204,093人 | +8.1% |
| バドミントン | 133,661人 | 129,658人 | ▲3.0% |
| バスケットボール | 289,389人 | 270,521人 | ▲6.5% |
| 陸上競技 | 222,080人 | 186,573人 | ▲16.0% |
| ソフトテニス | 306,827人 | 256,375人 | ▲16.4% |
| 軟式野球 | 167,475人 | 134,078人 | ▲19.9% |
| サッカー | 193,602人 | 153,299人 | ▲20.8% |
| 卓球 | 262,550人 | 188,833人 | ▲28.1% |
| 水泳 | 45,811人 | 28,838人 | ▲37.0% |
| 中体連全体 | 1,993,796人 | 1,685,073人 | ▲15.5% |
整理すると、こういう多層構造になっています。中学生人口の減少は約3.5%。中体連加盟生徒全体(=部活動をする中学生)は15.5%減。そして卓球部員は28.1%減。つまり「少子化」より「部活離れ」が大きく、その部活離れの平均よりさらに卓球は2倍近く減っているのです。同じラケット競技のバドミントンがほぼ横ばいなことを考えると、卓球固有の要因があると考えざるを得ません。
高校でも卓球部員は23%減。少子化の2.5倍のペース
では高校はどうでしょうか。全国高体連の登録データを見ると、高校卓球は2019年度の76,510人から2025年度の58,834人へ23.1%の減少。同期間の高校生徒数の減少は約9.3%、高体連全体の減少は11.2%ですから、高校でも卓球は少子化の2.5倍のペースで減っていることになります。
男女別では男子が25.5%減、女子が17.5%減と、減少は男子主導です。これは中学でも共通する傾向です。
中高で減り方がそっくり。人気と制度の二重要因
興味深いのは、競技別の増減パターンが中学と高校でほぼ相似形になっていることです。バレーだけが中高とも増加(高校男子は23.9%増。ハイキュー!!人気との関連が指摘されています)、バドミントンは中高ともほぼ横ばい、卓球と水泳は中高とも大幅減。部活動制度の問題だけでなく、競技ごとの人気の波が中高共通で効いていることがうかがえます。
そしてもう一つ重要な事実があります。後述する部活動の地域移行(地域展開)の対象は公立中学校であり、高校は対象外です。それでも高校卓球は2022年度以降、毎年4〜6%ずつ一定ペースで減り続けています。中学で縮小した学年が2023年度から高校に上がり始めており、その影響はすでに高校の数字に表れ始めています。このままのペースだと高校卓球の登録者は数年内に5万人割れが視野に入る計算です。中学という入口が細れば、数年遅れで高校も細る。卓球界のパイプライン全体に関わる問題なのです。



中学の減少が、時間差で高校にも波及していくってこと?



その通り。だからこそ「中学生がなぜ減ったのか」が一番大事な問いになるんだ。次の章で本丸に切り込むよ。
最大の要因は中学部活動の縮小と「地域展開」


中学生の登録者が激減している最大の要因と考えられるのが、中学部活動の縮小、いわゆる部活動の地域移行です。
経緯を簡単に整理します。教員の働き方改革と少子化を背景に、スポーツ庁は2023年度から休日の部活動を地域のクラブへ移す取り組みを開始しました。2025年5月には名称が「地域移行」から「地域展開」に変わり、学校から完全に切り離すのではなく学校と地域が協働する方針が明確化。そして2025年12月に文部科学省が新ガイドラインを策定し、2026年度からの6年間が「改革実行期間」となり、休日部活動の地域クラブ化が原則化されました。前半3年で休日、後半3年で平日への拡大が検討されるスケジュールです。
私の知り合いには中学の部活動顧問をしている人が何人かいますが、口を揃えて言うのは「活動時間は本当に減っている」ということです。平日の練習時間は短くなり、休日の活動も縮小。一方で、強豪校の生徒は部活動が終わった後に公民館などを借りて自主的に練習を続けているという話も聞きます。つまりガチ勢は自力で練習環境を確保し、初心者層は学校で気軽に始められる。割を食っているのは「部活で登録して大会に出る中間層」なのではないか、というのが現場を見ている私の仮説です。
卓球は「中学の部活で初めてラケットを握る」子が主要な入口になってきた競技です。中学生の運動部人気ではソフトテニス、バスケに次ぐ3位で、用具メーカーも新入部員向けの学販セットを主力にしてきました。この構造ゆえに、部活動の縮小が競技人口のパイプラインに与える打撃は、他競技よりも大きくなりやすいのです。



じゃあ卓球界はもうダメなの…?



そう悲観するのはまだ早い!実は「登録者が減った=卓球人口が減った」とは言い切れないんだ。ここからがこの記事の一番面白いところだよ。
それでも「卓球人口が減った」とは言い切れない理由


ここまで「登録者数」の話をしてきましたが、実は卓球に関わる人数の数字は3つの層に分かれています。協会登録者が約28万人。卓球専門誌が推定する愛好者が80〜90万人。そして笹川スポーツ財団の調査による「年1回以上卓球をした人」は数百万人規模。協会登録者は、卓球をする人全体から見ればごく一部の「氷山の一角」にすぎません。
これは私の体感ですが、卓球愛好家の中で協会登録をしている人は50人に1人いるかどうかだと思います。中高生は部活で大会に出るために登録が必要になるケースが多いものの、社会人になると大会のほとんどはオープン大会。協会登録が必要な全日本選手権予選のような大会に出るのは、卓球のコーチや本気で全国を目指す人くらいです。最近はP4MATCHのように誰でも簡単に大会を開催・参加できる仕組みも充実していて、登録しなくても卓球を楽しみ、試合に出られる環境はむしろ広がっています。
実際、卓球専門誌の卓球王国も興味深い指摘をしています。新入部員向けの学販用具セットの売れ行きは好調で、競技を始める子ども自体は減っていない可能性がある。つまり登録者数の激減には、競技人口そのものの減少だけでなく、登録手続きや費用のハードル、そして「登録しなくても卓球ができる」環境の変化が影響しているというのです。中体連の卓球部員は約18.9万人いるのに、協会登録の中学生は約12.5万人。部活で卓球をしていても登録しない層がすでに数万人規模で存在しています。
私が卓球場や体育館で「そこまで減っていない」と感じ、大会会場でだけ「子どもが減った」と感じる違和感の正体は、おそらくここにあります。縮んでいるのは卓球そのものではなく、「協会登録が必要な世界」なのです。



なるほど!でも部活がなくなったら、これから始める子はどこで卓球すればいいの?



そこが今、卓球界全体で一番熱く動いているところなんだ。各地で新しい受け皿が生まれ始めているよ。
部活がなくなったらどこで卓球する?広がる受け皿クラブ


部活動の地域展開が進む中で、全国では中学生の受け皿となる新しいクラブが生まれ始めています。実例をいくつか紹介します。
山口県周南市では、2026年春の中学部活動廃止に合わせて、化学メーカーのトクヤマが中学生向けクラブ「TOKUYAMA Rally Club」を開設しました。現役の実業団選手ら約12人が指導して月額4,000円。兵庫県西宮市では、地域移行の際に卓球の受け皿がなかったため、元校長先生が「ALL西宮中学卓球クラブ」を設立。現役の卓球部顧問やOBが協力し、各校の学校施設を使って月額3,000円で活動を続けています。京都市では市立中学校の卓球部の運営を民間事業者に委託する実証事業も始まっています。実業団、元教員、民間卓球場、行政と、あらゆる担い手が受け皿づくりに動き出しているのが2026年の現在地です。
保護者の方が受け皿を探すなら、まず市区町村や地域の卓球連盟のウェブサイトで地域クラブの情報を確認するのがおすすめです。民間の卓球場が開いているジュニアコースも有力な選択肢ですし、地域によっては上記のような月額3,000〜4,000円程度の地域クラブが立ち上がっています。部活動よりは費用がかかるものの、専門的な指導を受けられるメリットもあります。
ただし課題も正直に書いておきます。地域展開に着手している自治体はまだ33%にとどまり、指導者不足を課題に挙げる自治体は67.5%。受け皿の充実度には大きな地域差があります。お住まいの地域の状況は、自治体の教育委員会やスポーツ担当課に直接確認するのが確実です。
まとめ:減っているのは「登録者」。卓球を続ける道は増やせる


最後に、この記事の内容を整理します。
- 卓球協会の登録者数は2018年度の35.8万人から2025年度は28万人へ、7年で約8万人(21.9%)減少した
- 減少の中心は中学生(ピーク比30.4%減)。小学生と一般は微増しており「中抜け構造」になっている
- 少子化(中学生人口3.5%減)では説明できず、主因は中学部活動の縮小・地域展開。高校(23.1%減)にも波及が始まっている
- 一方で登録不要のオープン大会や学販の好調など、「登録しない卓球人口」はむしろ底堅い
- 実業団・元教員・民間卓球場による受け皿クラブが各地で生まれ始めている
登録者数の減少は卓球界にとって間違いなく重い課題です。特に「部活で大会に出る中間層」が細ることは、将来の競技レベルにも関わります。しかし同時に、卓球を楽しむ人の裾野そのものは決して消えていません。部活動という一本道が細くなる代わりに、地域クラブ、民間卓球場、オープン大会と、卓球を続ける道は多様化しています。この過渡期に大人の卓球愛好家ができることは、地域の受け皿づくりに関心を持ち、身近な子どもたちに卓球の楽しさを伝えていくことではないでしょうか。
参考データ:日本卓球協会「加盟団体登録人数」、日本中学校体育連盟「加盟校・加盟生徒数調査」、全国高等学校体育連盟「加盟・登録状況」、文部科学省「学校基本調査」「部活動改革及び地域クラブ活動の推進等に関する総合的なガイドライン」(いずれも2026年7月時点の公表値)









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