- カーボン全盛の今、あえて木材ラケットを選ぶ理由
- 3年使い続けてわかったクリッパーウッドの5つの魅力
- 相性の良いラバーと、おすすめできる人・できない人
カーボンラケットが当たり前になった今の卓球界。インナーフォースレイヤーやビスカリア、ティモボルALCなど、特殊素材ラケットを使う選手が圧倒的多数です。
そんな時代の流れに逆らうように、私が3年間使い続けてきたラケットがあります。それがスティガのクリッパーウッドです。
「今さら木材?」と思う方もいるかもしれません。でも実際に使い込んでみると、カーボンには絶対に出せない感覚があることに気づきます。ボールを掴んでコントロールする安心感。ドライブもミート系もこなせる汎用性。試合で「飛びすぎて入らない」という不安がない安定感。
この記事では、3年間クリッパーウッドを使い続けた私が、その魅力と実際の使用感を正直にお伝えします。「カーボンから木材に戻そうかな」と思っている方、ラケット選びで迷っている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
ちきりークリッパーウッドは名作だけど、今の時代にわざわざ木材ラケットを選ぶ意味あるの?



それがあるんだよ。使えば使うほど手放せなくなるラケットなんだ。
クリッパーウッドはどんなラケット?
まずは基本情報から確認しておきましょう。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| メーカー | STIGA(スウェーデン) |
| 合板構成 | 木材7枚合板 |
| ブレードサイズ | 158mm × 150mm |
| 板厚 | 6.5mm |
| 基準重量 | 約87g± |
| グリップ | FLA・STR・PEN |
| 定価 | 14,850円(税込) |
クリッパーウッドが初めて発売されたのは1981年。実に40年以上売れ続けているロングセラーラケットです。
世界チャンピオンの劉国梁選手が現役時代に愛用し、アトランタ五輪・世界選手権で金メダルを獲得したことで一躍有名になりました。近年では平野美宇選手も使用していたことで知られています。
開発コンセプトは「木材による最速・強弾性」。カーボンのような特殊素材を凌駕するスピードを、あえて木材だけで実現しようという挑戦から生まれたラケットです。グリップ中央の赤い染色材(添芯)は7枚合板のお手本として他社にも広く参考にされています。



40年以上も売れ続けてるってすごいね!



それだけ多くの選手に支持されてきた証拠だよね。時代が変わっても、このラケットの良さは変わらないんだ。
カーボン全盛の今、あえて木材ラケットを選ぶ理由
カーボンラケットと木材ラケットの根本的な違い
カーボンラケットと木材ラケットの一番の違いは「ボールとの接触時間」です。
カーボンラケットは素材の反発力でボールを素早く弾き出します。そのため、当たった瞬間にボールが飛んでいく感覚になります。スピードは出やすいですが、その分「自分でコントロールしている」という実感が薄くなりがちです。
一方、木材ラケットはボールがラケットに当たってから離れるまでの時間が長く、「一瞬ボールを掴んでから飛ばす」感覚があります。この球持ちの良さが、コースの打ち分けや回転のコントロールに直結します。
特にブロックや台上技術で差が出ます。カーボンラケットでは相手の回転に振り回されてオーバーミスしがちな場面でも、木材なら衝撃を吸収してくれるので、狙った位置に短く収められます。
クリッパーウッドがカーボンに負けないポイント
「木材ラケット=弾まない」というイメージを持っている方も多いと思いますが、クリッパーウッドはその常識を覆すラケットです。
7枚合板の硬い上板のおかげで、しっかりインパクトすればカーボンラケットに負けないスピードが出ます。しかも、木材ならではの球持ちがあるので、スピードとコントロールを両立できる。これがクリッパーウッドの最大の武器です。
実際に使ってみると「木材なのにこんなに飛ぶの?」と驚くはずです。それでいて台上では繊細なタッチが効く。この二面性こそが、40年以上トップ選手に選ばれ続けている理由です。
7枚合板ラケット全般の魅力や、他のおすすめモデルも知りたい方はこちらの記事もあわせてどうぞ。





木材ラケットってもっと弾まないイメージだった……



5枚合板だとたしかにそうかも。でもクリッパーウッドは7枚合板だから、しっかり振ればかなり飛ぶよ!
3年使い続けてわかったクリッパーウッドの5つの魅力
ボールを掴んでコントロールできる安心感
クリッパーウッドを使い続けて一番強く感じるのが、「ボールを一瞬掴んでコントロールする感覚」です。
最近のインナーフォースレイヤーやビスカリアのような高性能ラケットは、当たった瞬間に勝手に弾んでいく印象があります。クリッパーウッドは、ボールがラケットに当たってから離れるまでの一瞬に、自分で方向や回転をコントロールしている実感があります。
この感覚はカーボンラケットではなかなか味わえません。特にコースの打ち分けや、ギリギリの場面での微調整がしやすいのは大きなメリットです。
ドライブもミート系も両方こなせる汎用性の高さ
3年使い続けて強く感じるのが、クリッパーウッドの汎用性の高さです。
回転をかけたドライブはもちろん、ミート系の技術(弾き打ち)がやりやすいのがクリッパーウッドの大きな特徴。ドライブもできてミート系もできる、という両立を実現しているラケットはなかなかありません。
ループドライブもスピードドライブも、スマッシュもミートも、どれもこなせる。プレースタイルを限定しないので、これ1本で幅広い技術をカバーできます。
台上技術やサービスの繊細なタッチが使いやすい
球持ちがあるので、ツッツキで回転をしっかりかけられますし、ストップも短く止められます。感覚が手に伝わりやすく、繊細なタッチが要求される台上技術で真価を発揮します。
サービスの切れも出しやすいと感じています。ボールをラケット面で転がすような感触があるので、回転量の調整がしやすいのは木材ラケットならではですね。
試合で「飛びすぎて入らない」という不安がない安定感
カーボンラケットでよくある「大事な場面で飛びすぎてオーバーミス」。これがクリッパーウッドではほとんどありません。
相手のドライブに対してブロックしても弾みすぎないので台に収まりやすく、カウンターにも移行しやすいです。試合でもコントロール性能をしっかり発揮しながら、威力のあるボールが打てる。そのバランスの良さが、3年間使い続けた一番の理由です。
クラシカルな見た目がかっこいい
性能とは別の話になりますが、クリッパーウッドは見た目がとにかくかっこいいです。
美しい木目調のグリップと、中央に走る赤い添芯。ベテラン感あふれるクラシカルなデザインは、持っているだけでテンションが上がります。ラケットは毎日手に取るものなので、見た目の満足感も意外と大事なポイントです。



5つの魅力、どれも説得力あるね!特にコントロール感と安定感は気になるなあ。



実際に使ってみると「あ、これだ」ってすぐわかるよ。ボクも最初に打った瞬間、球持ちの違いに驚いたもん。
相性の良いラバー組み合わせガイド
クリッパーウッドはラバーとの相性の幅が広く、どんなタイプのラバーとも合わせやすいのが特徴です。ここでは、タイプ別に相性の良いラバーを紹介します。
テンション系ラバーとの相性
ファスタークG1やラクザXなど、中硬度のテンション系ラバーとの相性が抜群です。クリッパーウッドの球持ちとテンション系の弾みが合わさって、回転とスピードのバランスが取れたボールが打てます。
ただし、ディグニクス05のような硬めのテンション系ラバーと合わせると弾みすぎることがあります。初めてクリッパーウッドを使うなら、まずは中硬度のラバーから試すのがおすすめです。
粘着ラバーとの相性
少し昔までは中国選手がクリッパーウッドに粘着ラバーと合わせて使うので定番だったほど、粘着ラバーとの相性は抜群です。
板の硬さがラバーのトップシートを活かして、強烈な回転と独特の弾道を生み出してくれます。キョウヒョウ系やディグニクス09Cとの組み合わせは試す価値ありです。
表ソフト・粒高との相性
7枚合板の硬い上板が活きて、ミート系の弾きがやりやすいので、表ソフトとの相性も良いです。弾きのタイミングが合ったときの打球音と打球感は最高です。板が硬いのでナックルの変化もしっかり出ます。
粒高ラバーとも好相性で、変化を引き出しやすいのは木材ラケットならではの強みです。
| ラバータイプ | おすすめラバー | 相性 |
|---|---|---|
| テンション系(中硬度) | ファスタークG1 / ラクザX / ロゼナ | ◎ |
| テンション系(硬め) | テナジー05 / ディグニクス05 | ○(弾みすぎ注意) |
| 粘着系 | ディグニクス09C / キョウヒョウ系 | ◎ |
| 表ソフト | モリストSP / スペクトルS1 | ◎ |
| 粒高 | カールP1 / フェイントロング | ○ |



ラバーの幅が広いのは嬉しいね!自分のプレースタイルに合わせて選べる。



迷ったらまずは中硬度のテンション系から試してみて。それで物足りなければ硬めや粘着に変えていくのがおすすめだよ。
他の7枚合板ラケットと比較するとどこが違う?
クリッパーウッドは7枚合板ラケットの中でも最上位クラスの弾みと威力を持っています。他の人気7枚合板モデルと比較してみましょう。
| ラケット名 | メーカー | 重量 | 板厚 | 弾み | 打球感 | 価格帯 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| クリッパーウッド | STIGA | 92g | 6.5mm | ◎ | 普通 | 10,000円 |
| スワットパワー | VICTAS | 90g | 6.6mm | ◎ | 普通 | 9,000円 |
| SK7 | バタフライ | 91g | 6.8mm | ◎ | 普通 | 6,000円 |
| 馬琳エキストラスペシャル | ヤサカ | 92g | 6.3mm | ◎ | 硬い | 9,000円 |
どれも威力のある7枚合板ですが、クリッパーウッドは弾みと球持ちのバランスが頭ひとつ抜けています。馬琳エキストラスペシャルは打球感が硬く球離れが早いのに対し、クリッパーウッドはしっかり掴んでから飛ばせるのが大きな違いです。
7枚合板ラケットの選び方や、もっと多くのモデルを比較したい方はこちらの記事で詳しく解説しています。


こんな人におすすめ・こんな人には向かない
クリッパーウッドをおすすめできる人
- カーボンラケットの飛びすぎに悩んでいて、木材に戻りたい人
- コントロール重視で、かつしっかり弾みも欲しい人
- ドライブもミート系も使う、オールラウンドなプレーをする人
- 台上技術やブロックの安定感を求める人
- クラシカルなかっこいいラケットを使いたい人
こんな人には向かない
- とにかく軽いラケットを求めている人(裏裏だと190g超え)
購入前に知っておきたいこと
クリッパーウッドはラケット重量が重く、ラバーを張ると総重量が190越えになることも・・・



重さは気になるなら軽量ラバーで調整しないとね


よくある質問
Q. クリッパーウッドは初心者でも使えますか?
使えないことはありませんが、初心者には少し扱いにくい面があります。まずは5枚合板のラケットで基礎を固めてから移行するのがおすすめです。ある程度スイングが安定してきた中級者以上であれば、クリッパーウッドの良さを存分に活かせます。
Q. クリッパーウッドとクリッパーウッドWRBの違いは?
WRBはグリップを空洞化することで軽量化し、振り抜きやすくした仕様です。打球感が直接手に伝わりやすい一方、通常のクリッパーウッドの方が重心が安定しているという意見もあります。
Q. カーボンラケットからの乗り換えで違和感はありますか?
最初は「弾まない」と感じるかもしれません。ただ、それは球持ちがある証拠です。2〜3週間も使えば感覚が馴染んできて、むしろカーボンでは出せなかったコントロール感に驚くはずです。乗り換え直後は少しスイングを大きめにする意識を持つとスムーズに移行できます。
まとめ:40年売れ続ける理由がここにある
3年間クリッパーウッドを使い続けた私の結論は、「このラケットは時代を超えた本物だ」ということです。
カーボン全盛の今だからこそ、ボールを掴んでコントロールする木材の感覚が際立ちます。見た目のかっこよさ、ドライブもミートもこなせる汎用性、試合での安定感。どれをとっても40年以上売れ続けてきた理由が詰まっています。
「カーボンラケットを使ってきたけど、そろそろ木材に戻してみようかな」と思っているあなた。ぜひクリッパーウッドを一度試してみてください。きっと、卓球の新しい楽しさを発見できるはずです。









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