こんにちは、よこたくです!
表ソフトと言ったらスペクトル!
河野満さんや王涛など数々の世界王者に愛されてきた、まさにキングオブキングなラバーです。
そんなスペクトルシリーズにはS1、S2、S3の3種類がありますが、正直なところ、どのラバーが自分プレーにマッチするのか、判断に困りますよね。
私はこのスペクトルシリーズを、5年間使い続けました。(S1:3年、S2:1年、S3:半年)
この記事では、その5年間の経験からS1、S2、S3のそれぞれの特徴、メリット・デメリット、どんな人にどのラバーが合うかを解説していきます。
- 性能(スピード、回転、ナックル)の違い
- 結局、どのラバーを選べば良いか?
- 寿命や湿気などへの耐久性は?
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![]() スペクトルS1 | ![]() スペクトルS2 | ![]() スペクトルS3 | |
|---|---|---|---|
| 変化 | ナックル出せる | ちゃんと変化する | 勝手にナックル |
| 攻撃 | 弾み控えめ | 弾みも回転も良い | 弾む |
| コントロール | 良い | 回転で安定 | 結構むずい |
| 価格 | 3,300円 | 3,700円 | 3,700円 |
| 購入する | 購入する | 購入する |
スペクトルS1・S2・S3の性能を比較
スピード

スピードの評価は、S2 > S3> S1 です。
圧倒的だったのはスペクトルS2。スポンジのテンションが非常に強く、パッケージから出したら反り返ってました笑。柔らかく、グルーイング後のような食い込みの良さが特徴です。ドライブでもスピードが出ますし、スマッシュのミート感も気持ちいい。
たくぼーS2は昔のグルーを塗ったスペクトルって感じ
しかも、ただ弾むだけじゃなく回転もかかってくれるので、じゃじゃ馬ラバーではなく、しっかりコントロールもできるバランスの良さがあります。
表ソフトでガンガン攻めたいフォア表の選手ならスペクトルS2がやっぱおすすめです。
S3もS2と同等の弾みがあります。
S1は弾みは控えめで、まさに高弾性ラバーという感じです。
回転


回転の評価もスピードと同様、S2 > S3 > S1 です。
回転も一番かかるのはS2。スピード系表ソフトでありながら、S2は裏ソフトに遜色ないくらいのトップクラスの回転性能です。ドライブも非常にやりやすい。
S3はトップシートが変化系のため、S2より回転は控えめ。S1はそもそも強い回転をかけるコンセプトのラバーではありませんね、回転はほどほどです。



けど、表ソフトは回転で勝負するラバーじゃないよね



やっぱ大事なのはナックルでしょ!
ナックルの出しやすさ


ナックルの出しやすさは、S3 > S1> S2 です。
ナックルで勝負できるのはS3。自然にナックルが出たり、自分で変化をつけて勝負できるラバーだと感じました。
ただ、変化系表のアタック8などと比べると変化は控えめで、変化をつけるのに多少技術力が必要です。
しかし、そのぶんスペクトルS3は弾みが良くて攻撃がしやすいのも特徴です。バック面に貼って変化をつけつつ、時にはミートで反撃するようなプレースタイル向きだと思います。
S1は技術力があれば狙った通りに出せますが、S3のように勝手にナックルになるタイプではないです。
S2はナックルを武器にするのは難しいですね。
コントロール


コントロールの評価は、S1 > S3 > S2 です。
コントロールはスペクトルS1が圧倒的です。弾みが抑えられているので、ブロックや短く止める技術の際、狙ったコースにしっかり収まってくれます。
ブロックもドロップショット気味に決めることができて、前後左右に相手を揺さぶれます。
正直このラバーよりも回転がかかったり、スピードが出たり、ナックルが出るラバーはたくさんありますが、全てをバランスよく備えているのはスペクトルS1だけです。
表ソフトの良さである回転やコースの変化を一番生かせるのがS1なんです!
表ソフトの初心者から上級者まで全てのレベル帯にオススメできるラバーです。



バランスの良さからS1は長年愛されてるんだね
S3はテンションがかかっている分、コントロールはS1には及びません。
S2は弾みが強すぎるため、コントロール勝負には不向きだと感じました。
ラバーの重量
| ラバー | 重量(パッケージ込み) | 重量(ラバーのみ) |
|---|---|---|
| スペクトルS1(厚) | 92g | 46g |
| スペクトルS2(厚) | 91g | 44g |
| スペクトルS3(厚) | 91g | 44g |



重量はあまり変わらないね。全部軽いよ!
寿命
| ラバー | 寿命(週3練習) |
|---|---|
| スペクトルS1 | 6ヶ月 |
| スペクトルS2 | 3ヶ月 |
| スペクトルS3 | 6ヶ月 |
スペクトルS1【目安:半年〜1年】
かなり長持ちします。 回転重視のラバーではないため、粒の表面が摩耗してもプレーへの影響は少なめです。S1は打球感が重要なので、あえて交換頻度を下げて感覚を一定に保つ選手も多く、コスパが良いのが特徴です。
スペクトルS2【目安:約3ヶ月】
シリーズの中では短めです。 回転性能が売りのため、ラバーが劣化すると「今まで入っていたボールが入らない」というミスに直結します。安定したドライブやスマッシュを打ち続けるには、早めの交換が必要です。
スペクトルS3【目安:約半年】
比較的長持ちします。 2ヶ月ほどで粒が白っぽくなりますが、最大の特徴である「スピード」と「ナックル」の出しやすさは維持されます。見た目が劣化しても性能は落ちにくいため、気にせず使い続けられます。
湿気への強さ


スペクトルS1、S2、S3ともに、湿気に対する強さは普通レベル(表の中ではマシな方)です。
構造上、裏ソフトラバーに比べると湿気の影響は受けやすいですが、表ソフトの中ではそこまで極端に滑るわけではありません。
- ツッツキ:雨の日でも、なんとかスリップせずに下回転で返せるレベルです。
- ブロック:表面でボールが滑りやすくなるため、意図せず勝手にナックルになってしまうことがあります(笑)。
とはいえ、梅雨の時期や湿度が極端に高い体育館では、やはりスリップによるミスが怖いです。表ソフトユーザーにとって死活問題となる「湿気対策(おすすめグッズや打ち方のコツ)」については、以下の記事で詳しくまとめているので、こちらもあわせて参考にしてみてください。


戦型別に合うのはどれ?
【フォア表】基本はスペクトルS2(S1もアリ)
フォア表でガンガンドライブをかけ、スマッシュで決めたい選手には、スペクトルS2がおすすめです。 フォアが表ソフトの場合、ある程度回転がかかって安定すること、そしてドライブも攻撃手段として使えることが重要です。そういったバランスを求める人にはS2一択と言っていいでしょう。
ただし、表ソフトらしさを最優先するなら、スペクトルS1という選択肢もありです。
スペクトルS1でも回転はかけられるし、ナックルも出せる、短く前に止めることもできる、攻撃だけでなく色々な点の取り方をしたいならS1がいいです。
【バック表】S1かS3の2択
バック表の役割は、ガンガン決めることよりも「変化をつけてチャンスを作り、フォアで決める」ことにある場合が多いです。
- スペクトルS1(推奨): コントロールが良く、思ったところに返せます。ナックルが出しやすく、短く止める技術もやりやすいため、バック表のプレースタイルに最も適しています。一番のおすすめはこれです。
- スペクトルS3(上級者向け): レベルが上がり、変化だけでなく「弾み」や「攻撃力」も欲しいという人には、スピードが出るS3がおすすめです。
カットマン:スペクトルS1一択の理由
カットマンなら、スペクトルS1一択です。 粒高のようにカットを安定させつつ、自分から回転をかけることもできる「変化」を求めているはずです。S1は弾みが抑えられているため、回転をかけることも、ナックルを出すことも可能です。
侯英超選手、村松雄斗選手など、数々の名選手がスペクトルS1(または旧スペクトル)を使っているのには理由があります。 S1の最大の武器は「回転の変化のわかりにくさ」です。ただ、その変化を自在に操るのは簡単ではなく、長い間使い続ける必要があります。ちゃんと使いこなせれば最高のラバーになるので、根気よく使ってみることを強くおすすめします。
ライバルラバーとの比較
比較表
| ラバー | 回転 | スピード | ナックル | スポンジ硬度 | 価格 |
|---|---|---|---|---|---|
| スペクトルS1 | 35 | 3100円 | |||
| スペクトルS2 | 37.5 | 3700円 | |||
| スペクトルS3 | 37.5 | 3750円 | |||
| VO>101 | 37.5 | 3800円 | |||
| VO>102 | 37.5 | 4000円 | |||
| スピンピップスD2 | 37.5 | 3800円 | |||
| インパーシャルXS | 30 | 4500円 | |||
| スピーディーP.O. | 35 | 2600円 | |||
| バグラー | 30 | 4700円 | |||
| ラクザPO | 40-45 | 4400円 | |||
| オリジナル | 35-40 | 1700円 | |||
| モリストSP | 30 | 3700円 | |||
| ブースターJP | 43 | 3500円 | |||
| アタックエイト | – | – |


【番外編】知っておきたいスペクトルの豆知識(トリビア)
最後に、スペクトルシリーズにまつわる「小ネタ」や「歴史」を少しだけ紹介します。これを知っていると、卓球仲間との会話でちょっと自慢できるかもしれません。
惜しまれつつ消えた「廃盤」名作たち
現在の『Sシリーズ』に統合される前、スペクトルには様々な派生モデルが存在しました。
- スペクトル・21sponge(21スポンジ):
通常のスポンジよりも柔らかく、扱いやすいモデルでした。シンガポール、フォア表のリ・ジャウェイ選手に憧れて使用していた人も多かったですね。 - スペクトル・スピード:
逆にスポンジを硬くし、スピードを強化したモデル。このラバーはスピードグルーとの相性が抜群で、昔は高校生、大学生がこぞって使ってました。速攻選手の「もっと威力を!」という声に応えた一枚でした。 - スペクトル・ブルー / レッド:
これは「テンションスポンジ」を搭載したハイテクモデルでした。硬めのブルースポンジで威力を出した『ブルー』、軽くて柔らかいレッドスポンジで変化を出した『レッド』。現在のS2やS3のご先祖様とも言える存在です。



廃盤、残念・・・
伝説の選手から、現代のカットマンまで
スペクトルは50年以上の歴史があり、数々の世界チャンピオンが愛用してきました。
- 河野満 選手
1977年世界チャンピオン。彼の変幻自在なプレーはペン表ソフトの完成系だと今でも思います。そんなプレーはスペクトルなしでは語れません。 - 王涛(ワンタオ)選手
中国のサウスポーでバック表。バック面にスペクトルを貼り7色のバックハンドと呼ばれ、多彩な球種をスペクトルを使って出していました。 - 木子選手:
元中国女子代表。彼女もバック表でスペクトルを使用し、男子顔負けの豪打を見せていましたね。
現在はカットマンにも人気
かつては「前陣速攻の代名詞」のスペクトルでしたが、現代では村松雄斗選手をはじめ、多くのトップカットマンが使用しています。「回転をかけられる」「ナックルカットが出せる」という特徴が、守備型にとっても最強の武器になっているのです。
実はカラーラバーもある!


「スペクトルって黒と赤だけでしょ?」と思っていませんか? 実は、現在のスペクトルS1、S 2、S3には「ブルー(青色)」のトップシートが存在します!
「人と被りたくない!」「おしゃれに決めたい!」という方は、ぜひブルーのラバーで会場の注目を集めてみてください。
まとめ:スペクトルで「魔球」を手に入れよう
ここまでスペクトルS1、S2、S3の違いや選び方について徹底解説してきました。 長くなってしまいましたが、選び方の結論は非常にシンプルです。
- 「迷ったらコレ!変化と安定の王道」 → スペクトルS1(バック表、カットマン、表ソフト初心者におすすめ)
- 「ドライブも打ちたい!攻撃の威力重視」 → スペクトルS2(フォア表、攻撃バランス重視におすすめ)
- 「とにかく速さ!スピードで圧倒したい」 → スペクトルS3(上級者、スマッシュ多用におすすめ)
今の卓球界では「テンション系(モリストSPなど)」の弾むラバーが主流ですが、スペクトルが持つ「相手が嫌がるナックル(揺れる球)」は、他のラバーには真似できない唯一無二の武器です。











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