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【卓球混合団体を完全解剖】8ゲーム先取のルール・中国戦1-8の敗因・ロス五輪への展望

2025 12/14
よこたく考察 最新ニュース
2025年12月14日

つい先日、テレビ東京で連日放送されていた「ITTF混合団体ワールドカップ」、皆さんもご覧になりましたか?

男女がチームを組んで戦う新鮮さと、日本の銀メダル獲得に熱くなった一方で、テレビの前でこんな風に思った方も多いのではないでしょうか。

「まだ2-1なのに、なんで次の試合やってるの?」 「8ゲーム先取ってどういう計算?」

正直、いきなり始まった特殊なルールにかなり困惑しましたよね。

そして何より気になるのが、

「結局、このルールは日本にとって有利なのか?」「この形式なら中国に勝てるのか?」という点です。

決勝戦の結果は、中国相手に1-8という衝撃的な敗北。さらに、敵地・成都での完全アウェイによるブーイングなど、試合内容以外でも色々な意味で記憶に強く残る大会となりました。

しかし、落ち込んでいる暇はありません。

混合団体は、確実に2028年ロサンゼルス五輪の大注目種目になるでしょう。

そこで今回は、多くの人が混乱した「8ゲーム先取」の複雑なルールをわかりやすく解説しつつ、成都での激闘を振り返り、「日本がロス五輪で中国を倒すための勝ち筋」について徹底的に掘り下げていきます。

この記事でわかること
  • 混合団体の「8ゲーム先取」ルールの仕組み
  • 決勝で中国に1-8で敗れた具体的な原因
  • 2028年ロス五輪に向けた日本の展望
目次

【ルール解説】勝敗は「ゲーム数の合計」で決まる!8ゲーム先取制の仕組みとオーダー順

2028年ロサンゼルス五輪で本格導入が予想される「混合団体」。この種目が従来の団体戦と決定的に違うのは、勝敗の決まり方です。ここでは、今後のスタンダードとなるであろう独自のルール体系を解説します。

結論を言うと、実力差があったとしても、エキサイティングな試合になるように綿密に設計されており、番狂せが起こりやすいと思います。

勝利条件はマッチ数ではなく「合計8ゲーム先取」

通常の団体戦は「3人に勝てば勝利」ですが、混合団体はチーム全体で合計8ゲーム取ったら勝利です。

  • 従来の団体戦: 3-0で勝っても3-2で勝っても、同じ「1勝」。
  • 混合団体ルール: 3-0なら「+3点」、2-1なら「+2点」。

つまり、ただ試合に勝つだけでは不十分です。「3-0で圧倒してポイントを稼ぐこと」が求められます。逆に、負けるにしても「0-3の完封を避けて1点を持ち帰ること」ができれば、それはチームへの大きな貢献となります。

各マッチは「3ゲーム」しか行わない

通常は「3ゲーム先取(先に3ゲーム取ったら終了)」で最大5ゲームまで行いますが、この混合団体ルールでは【3ゲームきっちり】行います。

  • スコアは2パターンのみ: 「3-0」または「2-1」。
  • 終了条件: どちらかのチームの合計得点が「8」に達した瞬間、試合は即終了。

1ゲームの重みが違う!
ここが最大のポイントです。従来の団体戦なら、第1ゲームを落としても最終的に3-1で勝てば問題ありませんでした。しかし、このルールでは「1ゲーム落とすこと=相手に1点献上すること」になります。 たとえ格下の選手相手でも、スロースターターで第1ゲームを落として「2-1」で勝つようでは、エースとしての役割を果たせていないことになります。いくら強い選手でも、立ち上がりから全開で「3-0」を狙わなければならない過酷さがここにあります。

たくぼー

1セットも取られないって超ムズい

勝負を分けるオーダー順

混合団体のオーダー順

  1. 混合ダブルス
  2. 女子シングルス
  3. 男子シングルス
  4. ダブルス(男女どちらか)
  5. ダブルス(男女どちらか)

【ポイント】
第1試合(混合ダブルス)に出場した選手は、直後のシングルス(第2・3試合)には出場できない。

ロス五輪に向けて各国が頭を悩ませるのがこの部分です。「最強のペア」を最初にぶつけて3点を取りに行くか、シングルスに温存するか。この戦略の差が勝敗を分けます。

ランキングが低いチームがオーダーを選択できる

第4試合で「男子ダブルス」を行うか「女子ダブルス」を行うか、チームランキングが低い方のチームが指定できます。 これは一方的な展開(ワンサイドゲーム)を防ぐための仕組みであり、五輪本番でもドラマを生む要素になるでしょう。

なぜ中国は混合団体で圧倒的に強いのか?攻略の鍵となるダブルス

このルールにおける中国代表は、まさに無敵艦隊です。 なぜ彼らがここまで強いのか。その明確な理由と、そこから導き出される日本代表の「唯一の勝ち筋」を解説します。

中国の強さ:最強の混合ペアと底なしの選手層

中国がこの種目で圧倒的な強さを誇る理由は、大きく分けて2つあります。

最強の混合ダブルス

中国の強さの一つ目は、初手から「最強の切り札」を切れること。 第1試合の混合ダブルスに、世界ランキング1位の王楚欽選手と孫穎莎選手のペアを配置してきます。 この二人は即席ペアではありません。世界選手権や五輪でも優勝しており、長年ペアを組んで完成された世界最強のダブルスです。 3ゲームしかない短期決戦において、スタートからこの最強ペアに3点を取りに来られること。これが他国にとって最大の絶望となります。

混合で中国の出鼻を折るのはムズいよ

ちきりー

団体が0-3スタートだと絶望・・・

混合でエースを使っても次がいる!分厚い選手層

2つ目は、エースを使っても「次」がいる選手層です。 普通なら混合ダブルスにエースを使えば、シングルスの戦力は落ちます。しかし中国にはそれが当てはまりません。 男子なら、世界王者の樊振東選手がシングルスに控えています。女子も同様に、王曼昱選手や陳夢選手といった世界ランク1位、2位クラスが控えています。 「エースを倒しても、次のラスボスが出てくる」。穴がなさすぎるこの選手層こそが、中国一強の正体です。

混合ダブルスの後も更なる絶望

日本の勝ち筋:前半を耐え抜き、後半のダブルス決戦へ

では、日本はどう戦えばいいのか。勝利へのロードマップは一つしかないと思います。

「前半3試合を耐え抜き、後半のダブルス勝負に持ち込むこと」

具体的な流れは以下の通りです。

① 前半(混合・女単・男単)は「0-3」を避ける 
相手は格上です。勝つことが難しくても、絶対に避けなければならないのは「0-3(完封)」で3点を与えてしまうことです。 食らいついて1ゲームを奪い、「1-2」で終える。これを繰り返し、中国に8点満点を与えないよう我慢して試合を進めます。

② 後半(男ダブ・女ダブ)で勝負をかける
 なんとか前半を耐えて試合が続いていれば、日本にも大きなチャンスが巡ってきます。 第4試合以降のダブルス戦であれば、世界一位の戸上・篠塚ペアなら中国相手でも互角以上に渡り合えます。

前半で心を折られず、いかにして「得意な後半戦」までバトンを繋げるか。 この「粘りの展開」に持ち込めるかどうかが、打倒中国の唯一の突破口になります。

混合団体戦で変わる「戦い方」と日本が持つ可能性

2028年ロサンゼルス五輪でも採用されるこの混合団体戦。 従来の団体戦とはルールが根本から異なるため、勝利へ向けた戦術もガラリと変わります。

通常の団体戦と比較しながら、なぜこのルールでは「奇襲」や「1ゲームの奪取」が鍵を握るのか。そして、日本代表が中国に迫るためのポイントを解説します。

男女の戦力差がない日本の「総合力」

まず、この種目における日本の立ち位置についてです。 5試合中3試合がダブルス(混合・男ダブ・女ダブ)という構成上、特定の選手だけでなくチーム全体の「総合力」が何より重要になります。

世界を見渡すと、男子チームは強くても女子チームとの実力差がある、あるいはその逆という国が少なくありません。 その中で日本は、男子も女子も世界トップレベルの実力を維持しています。特に日本女子は、中国以外の国には負けない圧倒的な安定感を誇ります。 「男女ともに穴がない」という日本の特性は、総力戦となるこの混合団体において、中国を追う一番手としての大きな武器になります。

通常の団体戦とは違う「1ゲーム」の重み

このルールの最大の面白さは、通常の団体戦とは「勝ちへの計算式」が違うことです。

■ 通常の団体戦の場合
極端な話、0-2や1-2とゲームをリードされても、最終的に3-2で逆転勝ちすればOKです。「最後に勝つための戦術」を組み立て、後半でアジャストする戦い方が定石でした。

■ 混合団体戦(8ゲーム先取)の場合
ここでは「チーム全体で8ゲーム」を積み上げる競争です。 試合に勝つことはもちろん重要ですが、もし格上の中国選手相手に敗れるとしても、「0-3(完封)」で終わるのか、「1-2」まで食い下がるのかで、チームへの貢献度が天と地ほど変わります。

たとえ試合に負けても、なりふり構わず奪い取った「1ゲーム」が、チーム全体の勝利(8点)を大きく手繰り寄せる。 「負け試合の中にある1点」が輝くのが、このルールの特徴です。

「初見殺し」が最強の武器になる理由

「1ゲームだけでいいから、先手を取りたい」。 そうなると、中国の厚い壁を崩すための戦術として、これまで以上に「初見殺し」の価値が高まります。

通常の団体戦では、奇襲で第1ゲームを取れても、第2ゲーム以降に対策されて1-3で逆転負けしてしまえば、その奇襲は「失敗」でした。 しかし混合団体では、対策されて逆転負けしたとしても、最初の奇襲で「1点」を奪えれば、それはチームにとって「大きな戦果」になります。

こうなると、基礎力が高い中国相手にも、一発の怖さがある選手が輝き出します。 インド選手のような、アンチや粒高を使う「異質型」 、独自のサーブや、変則的な戦術を持つ選手。

相手が慣れる前の立ち上がりに、奇襲で1ゲームをさらっていく。 これまでは「安定感がない」と敬遠されがちだったスタイルこそが、最強中国から貴重な点をもぎ取るための「切り札」になるかもしれません。

失礼いたしました。直前のまとめは第3章の内容に偏りすぎており、記事全体(第1章のルール、第2章の対中国戦略)の総括になっていませんでした。

第1章から第3章までの流れを汲んだ、記事全体の「まとめ」を作成しました。


【まとめ】新時代の団体戦!「混合団体」はここが面白い

本記事では、卓球界の新たな主戦場となる「混合団体(8ゲーム先取制)」について、その仕組みから攻略法までを解説しました。

重要ポイントは以下の3点です。

① ルール:「勝敗」より「総得点」 
「3マッチ勝てば勝ち」ではなく、各試合のゲーム数を積み上げて「先に8点」取った方が勝ち。だからこそ、負け試合でも1点を奪う粘りが勝敗を分けます。

② 対中国:「後半勝負」への持ち込み 
最強ペアを擁する中国に対し、前半のシングルス戦を耐えて「0-3(完封)」を回避し、日本が得意とする後半のダブルス戦へバトンを繋ぐことが唯一の勝機です。

③ 未来:「奇襲」と「異質」の復権 
2028年ロス五輪に向け、「格上から1ゲームをもぎ取る」ための奇襲戦法や、異質ラバーの選手が重要なカギを握ることになります。

見る側もやる側も、1球の重みが違うこの新種目。 これからの日本代表のオーダー戦略から目が離せません!

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